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感視

 キスとアルカイズは謎解きを後回しにしたのに対して、何故メアリはこの部屋に残ったのか。


 彼女も人形の紛失に対して、二人ほど驚いた様子はなかった。人形が無くなった事自体が謎解きに必要な事だったのか。


「この部屋に残るという事は、メアリ様は謎解き……何か分かったのですか?」


「いえ……ベッドの色と数字に関しては何も分かっていませんよ。この部屋に残ったのは、カイトに伝えておくべきだと思ったからです。人形の事もありますし、二人が部屋に戻り、聞き耳を立ててる事はないはずです」


 メアリは壱と呼ばず、カイトと呼ぶぐらいには重要な事なのかもしれない。流石にカイトと呼びたいだけという事はないはず……


『あの二人に聞かれたくない話か。そういえば、零が予知の話をしていた時、メアリは何かを唱えていたな。あれは何の魔法を使用したのか。君も使った事に気付いていなかったのか?』


 死神はメアリが食堂内で魔法を使用した事に気付いていた。側にいたカイトもディアナ達同様、予知の方に耳が向いていたのだろう。事件に関係する可能性もあるのだから。


 ディアナ達が気付かなかったのは、予知の話に気を取られていたのもあるが、気付かれないぐらいの魔力だったのかもしれない。


 僅かな魔力で何の魔法を使ったのか。十の人形を移動されたのが、メアリの可能性も生まれてくる。


 ディアナ、キス、アルカイズの得意とする魔法があるように、メアリもそれがなければ、キスと同列の魔法使いにはなれていないはず。


「あの時にメアリ様が? ……だとすれば、感視の魔法だと思います。主は相手の感情の変化を視認する魔法を得意としているので。心の声や真偽が分かるわけではないのですが、それに近いぐらいに見分けがつくかと」


 メアリの得意魔法は感情の変化を視認する。心を読むわけでもなく、そこまでの魔法ではなさそうだ。


 だが、使い続ける事で言葉の真偽、嘘か本当かの判断が見分けれる可能性が高いようだ。


「……食堂で誰かを視たのですか?」


 カイトはメアリに魔法を使用したのかを確認した。死神が耳にした以上、それは確実に使われている。


 タイミングを考えるであれば、メアリが視るのは零ではないだろうか。


 この魔法は一回につき、対象となるのは一人だけ。全員を見回すのは無理のようだ。


「零です。予知の魔法が事実かどうか。招待状には回復魔法だけで、予知の事は何も書かれてありませんでした。ディアナ様達の反応を見ても、凄い魔法だと分かると思います。そんな魔法の事を何故書かなかったのでしょうか?」


「本当は予知の魔法はなく、零が言ったのは出鱈目なのですか? それもゴールド=ゴールの指示だと」


「そこまでは分かりません。ただ……彼女の感情に動揺、不安の色が浮かび上がっていました。嘘が出た時に出る色です」


 零は何かしらの嘘を吐いたようだ。その嘘が予知魔法自体であれば、話は一気に変わってくる。

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