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放置か所持か

「人形は持って来なかったのか? いや……私が指示していなかったな」


 三を含め、十と七も従者の部屋に人形を置いたままに戻ってきている。


『難しい判断だな。自身で持っていた方が安全なのか。予知であるなら、あの姿になる事を教えてくれてるようなものだから』


 予知は完璧ではないのなら、アレを見る事で回避可能なのかもしれない。


 自身で所持していたら、人形で予知して貰うのが無理になる。それに失敗すれば、死が待っているわけだ。


 何もなしよりも警戒する事は出来る。


「それでいいでしょう。人形によって死が分かるのなら、それを崩すしかありません。そのヒントをくれているのですから」


「それもそうね。それに人形を取りに来たのが、ゴールド=ゴールの可能性が高いんだから、それを捕まえても、見つけた事になるでしょ」


 予知が関係し、零が設置したのを否定したのだから、残るのはゴールド=ゴールしかいない。


「私もそのつまりだったぞ。三は私の意図を汲み取ってくれたわけだ。私達はディアナの従者が予知を打ち砕く事を楽しみしているよ」


 ディアナ、キス、アルカイズは従者の部屋に人形を置いておく事を選んだ。


『そう言いながらも、予知通りになる事を望んでいるだろうな。従者が亡くなれば、命約が途切れる事になる。主だけでは危険な行動に出難(でににくなるわけだ』


 予知を失敗させるのは自身と従者だけでいい。それが三人の本当の考えかもしれない。


『君の主であるメアリも同じ考えか。この通りに行くと、全員が行方不明になる流れになるのだろうな』


「……私は人形を自分の手元に置いてみようと思います。全員が同じにしなくても構いませんよね。勿論、壱にもそうさせます」


 メアリは三人とは違い、人形を手元に置く事を選んだ。


『……メアリはそっちを選ぶわけだ』


 死神は最後に残るのがメアリだと知っている。この最初の判断が決め手となったかまでは分かってはいない。


「それは貴女の考えなので尊重します。所持して、どうなるかも知っておいても損はないでしょう」


 継承権の勝負は始まっているのだから、どちらを選ぶかは主次第。そちらを選んだ理由を言う必要はなく、ディアナもそれが分かっているのだろう。


「それで先に死んだら笑いものだけどね」


「取りに行く時は私も一緒に行こう。その方がメアリもいちいち疑われる事もないはずだ」


 それはカイトが従者の部屋に人形を取りに行くとしても、三が同行する。メアリ自身が行くとなれば、アルカイズも来るわけだ。


 この時点で疑われているようなものだが。魔法使い同士の争いは禁じられ、罠もその中に入るのだから、何かをしようにもないのだが。


「なら、私も一緒に行くわ。メアリに擦り付けて、アルカイズが何かするかもしれないし。三人が互いに監視した方が良いでしょ」


 キスも従者の部屋へ同行する事に。一人だと隙を見て、何かをする事が出来ても、三人の目があれば難しくなる。


 従者の目も加わると、下手な事をするのは不可能だろう。


「ディアナはどうするわけ? 従者の人形があんな姿になってるわけなんだけど」


「私は見なくて結構です。危険を承知で先に探索されてもらいます。人形はナイフのような物に刺されているわけですから」


 ディアナは先に単独行動、十と共に館の探索、謎解きを探すようだ。


『ナイフのような物で刺されていれば、誰かに刺されるようなイメージを持つか。争いは禁止だが、抜け道があるのを考えるべきだな』


 事実、メアリ達は行方不明、死んでいるのだ。ディアナが警戒してなのか、別行動するのは間違っていない。

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