表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
489/491

死神の従者

「だからこその提案だよ。メアリの魂だけは解放してあげてもいい。同じ姿で生まれ変わる事は無理になるけど」


 ツヴァイはメアリの体だけに執着しているわけで、彼女の魂を解放すると言っている。だが、それを簡単に信じるわけにもいかない。


 提案であり、カイトに条件を出してくるのは分かりきってる。


「信じるなよ。メアリ魂を解放するだけで、彼女の体を物に出来るのなら、先にそうしている。メアリの魂と体は完全に途切れてないはずだ。だからこそ、コイツに抵抗している」


 アインズはカイトが騙されないように、助言する。カイトのツヴァイに対しての質問が終わったのであれば、彼女が口を挟む事に文句はいえなくなる。


「アインズが口を挟む事は分かってたよ。カイトと新たに契約を結べば、文句はないでしょ。それにメアリの契約とも連結させる」


 ツヴァイが指を鳴らすと、メアリの体がカイト達の前に現れた。透明の箱のような物に入れられ、厳重に保管されている。


 体が腐らないようにするため。魂も閉じ込められているのか。


「メアリにも僕とカイトの会話が聞こえる。彼女の魂が納得すれば、問題ないだろ?」


「私にもメアリの魂の反応は分かる。そこは君も安心していい」


 アインズは同じ死神として、メアリの魂の反応を見る事が出来るらしい。


 彼女の体を出してまで、ツヴァイが嘘を吐けないという事だ。


「契約もきちんと果たさなければ、効果が薄れる事は君も理解したはずだ」


 この事態の原因も契約が破綻しているからだ。ツヴァイも二度も同じ過ちは繰り返さないだろう。


「はい。メアリ様の魂の反応をお願いします。僕が契約するにしても、内容次第です」



「簡単な事だよ。僕の従者になって、一緒に新しい事件、未解決事件を生み出して、アインズに幾つもの敗北を与えるんだ。それに成功するたびに、魂を少しずつ解放するよ」


 カイトの推理により、ツヴァイはその思考を利用して、アインズに勝負を仕掛けるつもりらしい。


 カイトはアインズの考えに触れているのも大きいところだろう。それが彼を成長されたとも言える。


「私としては面白い提案ではあるが……」


 アインズもそれに興味を示している。彼女は謎解きを好み、常に新たな未解決事件を求めている。


 カイトがこの経験を活かして、どのような未解決事件を生み出すのか。ツヴァイがどのように手を加えるのか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ