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本題

「ハハッ……凄いね。そこまで考えられるようになったんだ。アインズのアドバイスもなく、その質問に辿り着き、急所を突くなんて」


 ツヴァイはカイトの質問が重要であり、急所でもある事を認めた。つまり、彼女の解答を得られるわけだ。


 それでも、ツヴァイは余裕をアインズとカイトに見せている。


「答えてあげるよ。むしろ、これが本題でもあるから。カイトがそこまで頭が切れるようになったのも面白くてさ。それに……想像するだけで、思わず、笑顔になったよ」


「本題……ですか?」


 やはり、ツヴァイにはカイトを殺さない理由はあった。それもカイトが先に見つけた事により、アインズに対する執着に似たような気持ちが生まれたのか感じが出てきている。


「カイトを殺さなかった理由。それは君の魂を奪い、取り込むためさ。そうすれば、彼女の体も安定するはず。僕の体で一緒になれるわけだし」


「そういう事か。擬似的世界でカイトを殺せば、魂は消滅する。事件を解決したとして、この場所に戻ってくるかも判断がつきにくい。彼の魂を奪うためには、この状況でなければならない。いや……そうなってしまったのか」


 カイトがメアリに真実を伝えた事で、ツヴァイとメアリの繋がりが更に弱くなった。


 擬似的世界崩壊もそれが理由の一つであり、それを打開する方法を考えた末に選んだのかもしれない。


 ツヴァイの余裕そうに見えるのも、演技の可能性がある。


 だが、カイトの推理によって、変化したのか。


「そこもアインズの言った通り。でも、状況が変わった。面白い事を思いついたから。アインズは兎も角として、カイトにとっては良い話なんじゃないかな? 普通に私の元に来てくれても構わないんだけど?」


 擬似的世界は終了。犯人はメアリと三達従者。裏から操っていたのは死神であるツヴァイ。


 カイトは死者として、本来行くべき場所へ向かうだけ。今後の事を決めるのは彼だ。


 アインズに止める権利はない。


「当然、拒否します。ツヴァイ様と一体になったところで、それは貴女でしかありません。僕やメアリ様も消えたのと一緒です。質が悪すぎる。だったら、生まれ変わって、メアリ様と再会出来るのを祈る方が良い。けど……」


「僕がメアリの体だけでなく、魂も捕らえている。カイトみたいに生まれ変わる事は出来ないよ。君としては、彼女の魂だけでも解放して欲しいと思ってるはずだよ」


「はい!! 僕は消える立場です。ここで嘘を言っても仕方ありません」


 カイトはツヴァイの質問に正直に答えた。どうにかして、ツヴァイからメアリを解放する方法を考えていた。


 カイトの質問によって、メアリとツヴァイの繋がりが弱くなっているのも判明した。


 それが狙いでもあったが、この先をどうするかを見つけてない。アインズの協力は必須になるぐらいには、彼の頭にはあったかもしれないが。

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