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不殺害理由

「違います。ツヴァイ様は僕を殺さなかった理由を教えて下さい」


「……えっ!? 僕がカイトを殺さなかった理由!! 何で……」


 ツヴァイにとっては予想外の質問だったようだ。彼女の顔には焦りではなく、笑みが浮かんでいるようにも見える。


「僕がメアリ様と別れて、零を追い掛ける事にしました。事件の真相を知るためです。ツヴァイ様が零であれば、最後に僕を殺す事も可能だったはずです。その方がアインズ様の負けに繋がったと……依頼者が殺されるわけですから」


 最後の最後でカイトが殺される。真相に後一歩届かず。カイトではなく、アインズの失敗になる。


「なるほどね。理由としては、僕は事件の計画を立てたりするだけで、直接手を掛ける、人を殺す事はしないんだ」


「ツヴァイの言っている事は事実だ。今までコイツが関与した事件で、直接手を出した事はないのだが……」


 アインズはツヴァイを庇うわけではないが、彼女が関わった事件で、自身が殺害に血を染めた事はないらしい。その世界の犯人、今回はメアリと従者達になるわけだが、彼女達に事前に指示を出すだけ。


 零は館の主と連絡を取っていた事になっていたが、その必要はなかったという事だ。


「それは今までツヴァイ様自身が事件に参加していないから。けど、今回は零という存在でいるわけです。それだけではなく、擬似的世界にいたとして、本来の事件にいたかも定かではないのではないでしょうか?」


 本来起きた事件に零は存在したのか。メアリ達の記憶を合わせたのが擬似的世界なのだが、すでにツヴァイの手が加わっていた。偽装する事は可能だ。


 もしくは、零は存在はしたが、この時は彼女自身のままだった可能性もあるが。


「擬似的世界で館の主、ゴールド=ゴール殺害を零がしていた可能性があると……」


 ゴールド=ゴールは首と体が切り離されていた。殺害場所は館外であり、犯人は零か三だろう。外に出たのは、この二人だ。


 零ではなくても、ゴールド=ゴール殺害には直接関与しているわけだ。


「先に手を出しているのなら、僕も殺せるはず。ツヴァイ様が今までの事件でしてなくても、参加する事自体もそうだったわけですよね?」


「確かにそうだ。コイツはゴールド=ゴールの死体を偽装を直接したのは否定出来ないか」


 アインズはカイトの言葉に納得した。参加したのが擬似的世界だけだったとしても、すでに以前からしてなかったのを行動に移しているのだから、否定するのは難しい。


「直接でなくても、十達にも指示出来たはずです。僕は本来いなかった邪魔者なわけですから。十や三に襲われた時もあったわけですし」


 そこはカイトが真相に辿り着く前であり、死んだ時点で擬似的世界が崩壊する事もあったのかもしれないが。


「むしろ、僕を守るために参加したまであるのかと」


 

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