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アインズとツヴァイ

「彼女の体は私の物よ。今だけ、この姿になってる……というのはおかしいか。零の姿も私だ。アインズなら意味が分かるはずだ」


「アインズ?」


「死神にも名前があるのさ。彼女の名前がアインズ。私の名前はツヴァイと呼ぶように。君の死神は今回の事件で色々とミスを犯している」


 ツヴァイと名乗る死神は、アインズに向けてほくそ笑む。彼女の失敗が、自身の策が成功したのが嬉しいのか。


「認める。いつもと違っていた。君には悪いと思うが、今回はお前の掌で踊らされていたようなものだな」


 アインズは素直にツヴァイへの敗北を認めた。この二人の関係はカイトには分からない。


 だが、ツヴァイがアインズを強く意識しているようにも見える。逆にアインズはそこまでのもようだ。負けたと口にしながらも、悔しさを滲ませる事はなさそうだ。


「私の負け」


「じゃないから。全然悔しがってないし。最後に僕の掌から逃れているし。引き分け……ギリギリ私の方の負けにしておくから」


 ツヴァイはアインズが負けを認めようとしたのを、拒絶した。ほくそ笑んでいたのが、厳しい目に変化した。


 彼女は完全勝利を目指していたようだが、何かのミスを冒した。それは擬似的世界が消えた事やメアリに関係しているのかもしれない。


 加えて、アインズの冷静な態度に、ツヴァイは腹を立てたのかもしれない。


「私としてはどちらでも構わない。そんな事よりも謎解きの続きだ。私達の質問に答えてくれるのだろ?」


「ここまで来たらね。勿論、余計な質問には答えないよ。的外れな質問をしたら、終わりにするから。それと……質問するのはアインズじゃなくて、カイトだけ。頭の中に語り掛けるのもなし。それが条件。けど、その前にこちらから問題を出すわ」


 ツヴァイはアインズがカイトに協力するのを禁止した。彼女がすでに答えに辿り着いていると考えての事だろう。


 本来、アインズはカイトの補助的役割のみで、謎解きをするのは彼の役割なのだ。


「今回の謎解きは、アインズだけの頭脳だけじゃなかった事の確認。力試しよ」


 アインズの手助けなしで、ツヴァイの問題にカイトが答えられるのか。


 ツヴァイは擬似的世界でのカイトの行動、言動全てが、アインズの指示だけではなく、彼の判断で行動出来たか。


 カイトの頭脳、力を見極めるためだとして、何の意味があるのだろうか。


「簡単な問題。アインズが決定的なミスを序盤からしてる。それは一体何かね。二つぐらいは答えて欲しいから」

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