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決断

『彼女の気持ちを汲んでやれ。これが最後の彼女の命令だ。君はそれを無視するのか? 本当の意味で終わらせるため、零に会うしかないぞ』


「……分かりました。僕一人で零を追い掛けます。メアリ様は零が何処に逃げるかの検討はつきますか? 館の地図は頭にある程度は入ってます」


 カイトはメアリを残して、零を追う事を決断した。


 メアリの本当の願いは叶わない。死神になり、カイトを再度従者にする事は当然として、彼の手で自身を手に掛けさせる事も。


 カイトがそれを拒否する。逆の立場だとしたら、メアリも頑なに断るだろう。


 もし、カイトがメアリ殺害を了承した場合はどうなるか。


 キスが事実を知らない状態であれば、カイトは七達のように主殺害をしただけと判断するのではないだろうか。


 そして、キスはカイトを躊躇いなく殺す流れになる。


 となれば、選択肢は一つしかない。


「キス様が魔法を使用したのであれば、この階に踏み留まる事はないと思います。一階に……外に逃げる事も考えていいかもしれません」


 零であれば、一階に戻る方法を知っているはず。地下一階でキスとメアリの魔法による戦闘が始まるのであれば、隠れるよりも逃げる方を選ぶ。


 それも館内にいるよりも、外に出た方が安全。とはいえ、魔物の存在を気にしているかにもよるだろうが。


「逃げるのもありますが、外に何かしている可能性も十分あります。それも彼女がしたわけではなく、させていた」


 メアリは外に見つけた死体がゴールド=ゴールである事は知っている。それも零から聞いた話だ。


 つまり、ゴールド=ゴールのためではなく、零が何かの儀式を偽って、彼女に準備させていた可能性がある。


 二人の死後、零がその儀式を始めるつもりなのか。


 外側からでは死後の判断がつかなくとも、知る方法はある。知るというよりも、彼女が手を下す可能性も。


 館ごと壊す。壊すというより、燃やす事は可能ではないだろうか。


 食堂、調理室は焼却炉と繋がっている。焼却炉は魔導具であり、暴走させる事が出来るのであれば……


「この部屋から一気に一階へ行く事が可能です。それを使ってください。その後、キス様が使えないように壊します」


 ここから一気に一階へ行けば、カイトがキスと鉢合わせする事はない。


 だが、キスだけでなく、メアリも昇降機が使用不可になる。他にも一階に続く道はあるのだろうが、彼女は壊して回るかもしれない。


 メアリは戻るつもりはないという事だ。

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