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判断

「キス様が僕を殺そうとしたら……メアリ様はどうしますか」


「それは!! ……私は戦う事を選びます。カイトは私の従者ですが、今回の件とは関わってなかったのですから。それを説明したところで、キスが信じるかどうか」


 カイトも殺されるとすれば、メアリはキスと戦う事を選ぶ。


 確かにメアリがキスに説明したところで、彼女には通用しない。キス達は魔法使い達に裏切られ、メアリにも騙された。


 誰の言う事も信じられなくなってしまう。


 カイトと共に行動して、彼自身も騙されていたとしても、目的に含まれているのなら、許す事は出来なくなる。


「……キス様が協力者のままの可能性も残ってます。零を問い詰めるようにするの手ではあるのですが」


「止めておきましょう。説明するにあたり、私が裏切った事に代わりはありません。どちらにしても結果は同じになります」


 メアリがキスを裏切ったのは事実であり、黒幕の一人だとも言える。


 説明しようにも、下手に嘘を吐くのは危険であり、カイトも巻き込む可能性がある。


「……カイトが真相を知り、謎解きを終えた時にこの世界は終了する。私やキスの死は関係なし。それで合ってますか?」


「……そのはずです。メアリ様やキス様の死は関係なく、真相を知る。犯人の自白があって、謎解きは終了と共に世界も」


 メアリは一部を訂正して、この世界の終わらせ方を彼に尋ね、それに答えた。


「私は全てを話しました。それで終わらないのなら、零が隠しているのでしょうね。だとすれば、やる事は一つ。カイトは零を見つけなさい。私一人でキスに会いに行きます。そして、全てを話します」


「そんな事したら……キス様はメアリ様を」


「先程も言いましたが、その覚悟はありましたから。私達は別行動をしていたんです。カイトは合流出来なかった事にすれば。カイトが何も知らないと私が言えば……キス様も無理に追う事はしないはず」


 キスがカイトとメアリが合流した事は知らないだろう。知っているとすれば、カイトが零達に捕まった事ぐらいか。


 二人が合流した事を、零がキスに伝える事も難しい。キスは彼女を殺すつもりでいるわけで、簡単に姿を見せない。


 そんな相手の言葉を信じるかどうかもある。


『妥当な判断だ。もし、キスを倒したところで、メアリだけでなく、君も無事では済まない。それを零は狙っているのだろう。だとすれば、君が一人で零を探すしかない。二人の結末は決まっているのだから』


 メアリとキスが死ぬ事は決定している。その前にこの世界が終了したとしても、消える事には変わりはない。


 この世界が終わるまで、メアリを生存させるのは、カイトの自己満足でしかないのだ。

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