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『死神が体を奪えるのは、死神に協力した時。生きている間、死神に何かを願い、亡くなった後。それが代償。別の代償で騙して、嘘を吐いているだけ。彼女の事を知っていれば、感視の対策もしていただろう』


 メアリが感視が死神にまで通用するのかは判断がつかないが、対策を取る事は可能だろう。


「メアリ様は騙されてます。その者はメアリ様の体を奪う事が目的であり、意識は消えてしまいます。先程、メアリ様に似た声で僕に語り掛けてきたのがその者であれば、姿形がメアリでも別人だと判断します」


 カイトは正直に答えた。自身の事は他者の方がよく見えているという事もある。言葉遣いや雰囲気がそれだ。


「絵画室のあの絵……あれがメアリ様が死神になった姿だとして、似ていないと否定しましたよね? 僕やキス様を騙すためでも、そう思ってしまったのもあるから、言葉に出たのではないでしょうか?」


 あの絵はメアリの記憶を呼び戻すための物だとしても、死神の姿をモチーフにしたのではないか。


 色合いが変化したのも、メアリが死神の姿になった影響だったして、雰囲気も彼女から出てくる物ではなかった。


「そんな事は!! ……カイトがそう言いなら、そうなのかもしれませんね。協力している死神ではなく、カイトがそう感じたのですね。私に嘘をつく理由がありません。それに……」


 メアリはそれを否定しようとしたが、すぐに取り下げた。カイトが自身に嘘を吐くとは到底思えなかったのだろう。


 加えて、メアリが先の言葉を止めた内容も予想は出来る。


 自分と共にいられる事をカイトが拒否するとは思えない。


 メアリは自身よりも、カイトの方が分かっている部分がある事を知っている。彼が否定するなら、その通りだと。


「ですが……私が死ななければ、この世界はどうなるのですか? このまま続く事はないのですよね」


 メアリはカイトが真相を知った後、自身が死ぬ事により、この世界が終了すると思っているようだ。


 続いたとしたら、彼女の死は避けられない。それは本人も分かってるからこそ、死神の従者にする事がなくても、それを望んでいるのかもしれない。


「いえ……この事件の真相が分かれば問題なく、メアリ様が死ななくても、終わる事は」


 事件の真相は明るみになった。黒幕はメアリと零。いや……その二人を唆した死神か。


 魔法使い達を手に掛けたのは従者達。従者達も零に利用されたようなもの。


 目的は自身が死神になる事。


 そこまで判明したが、擬似的世界が終わない事に、カイトは違和感を覚えた。


 メアリと零が知る内容に違いがある場合、真相はまた違ってくる。


 それを教えるかのように、部屋外から爆発音が聴こえてきた。

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