表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
464/491

自殺

 この事件が起きたのは館の主とメアリが協力したからこそ。ディアナ達の従者も手を貸したわけだが、メアリが協力しなければ、この事件は起きなかったわけだ。


 メアリとカイトは何事もなく、人生を終えていたはず。それを手放したのは彼女になる。


『いや……理由の一つは予想出来るか。確信に近いな。彼女はディアナ達の死ぬのは決定されていたと言っていた。それは間違いなく、過程が違っても確実に起きる。勿論、この場で死んだメアリも例外じゃないだろう』


「……つまり、この事件が起きなくても、メアリ様は死ぬ事になっていた!? それを死神から聞かされたから」


 メアリは自身はこの事件に関係なく、死ぬ事を死神に聞かされていた。


 簡単に信じる事は出来ないだろうが、混血が短命である事を知っていたら、嘘だとは思えなくなる。


 彼女には最初からその先がなかった。


「メアリ様も……ディアナ様達のように死ぬ事が決まっていたから」


「はい。そう聞きました。彼女の言葉は嘘ではない事が分かります。それを無くす事も無理だと」


 やはり、メアリは死神から死ぬ事を聞かされていた。しかも、死を消す事が出来ない事も。


 館の主も長寿を願ったと、零は言っていた。それは結局叶っていない。死は変えられないのなら、そうなる。


 そもそも、館の主は死神と二度会ってなく、零が会ったのなら、その願いを死神が聞いたのかも分からない。


「私自身、誰に殺されたのかも分かりませんが。もしかしたら、自殺を選んでいるのかもしれません。この地下を見つけるのも難しく、謎にする必要があるらしかったので」


 謎を残すためには、死体が見つからない状態。行方不明扱いにした方がいい。焼却炉で焼かれた可能性もある。


 ディアナ、アルカイズ、キス、メアリ四人の魔法使いが行方不明になった事で、捜索隊が派遣されている。そして、館も調べられてはいるのだ。


 地下が見つかってない。謎を残すためには見つけるわけにもいかない。


 地下の死体は運ばれたと思われたが、行く方法が落下によるものであれば、地図にその部屋しか映らなかったのも納得出来る。


 そして、メアリが誰かに殺されたわけではなく、自殺だとしても。


「……メアリ様は死ぬ前に儀式を終えて、死神に会ったと思いますか……そもそも、儀式自体あったのかも」


 メアリがカイトを待っていた部屋を見る。


 天井裏からこの場所に行こうにも封鎖された状態だった。


 地図を考えると、上から落ちるようになっているはずであり、開いた跡が残っている。


 だが、それ以外は何もない。椅子もなければ、ベッドもなく、時計すらも。物が何一つないのだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ