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中央へ

「……僕は死神になってませんよ。君や主は混血の力でその姿が見えたかもしれませんが、僕自身が混血なのかも分かってない……ではないはずですから」


 カイトに特別な能力はない。死神の元に辿り着いたのも、彼が混血だからではない。


 この事件が未解決に。メアリを殺害した人物が分からず、カイトが苦しんだ結果。


 事実、零達の行動、彼女側の死神の思惑が成功したとも言える。


 だが、その死神がカイトを彼女の元へ行かせて、擬似的世界を作らせる理由はあるのか。


「なるほどね。『なってません』か。私達が会ったのを死神と例えるのも、その存在を疑わないのも、会ってはいるんだよね。それも協力に止まってる? 彼女の言葉だとしても信じるかどうか。話してないはずだし」


「待ってください。零は『彼女の言葉だとしても信じるかどうか』と言いました。他にも何度か私ではなく、『私達』とも、自分だけでない事を示唆しています。それは……」


『彼女の言葉だとしても』という言葉が出てくるのは、カイトが信用している人物という事になる。


 それに加えて、この状況で『達』という複数人を使うとすれば、該当する人物は一人しかいない。


『……零が示すのはメアリだろうな。ゴールド=ゴール、零の二人の混血と会った事があるのなら、もう一人の混血。この場に集まっているのなら、可能性が高い。君も薄々ながらも感じていたのだろ? とはいえ、彼女は擬似的世界の始まりから、気付いていたのか。それとも、何処かのタイミングで思い出すような事が起きたのか』


 死神も零が言う人物がメアリと予想している。いや、予想というよりも確信に近いのだろう。


 とはいえ、彼女は零のように最初から気付いていたのかまでは分かっていない。


 死神からしても、メアリがこちらに気付いている素振りはなかった。


「……危ない危ない。私の口から言いそうになるね。もう着くから、答えは本人に直接聞ききなよ」


 気付けば、カイトは地下一階の中央まで辿り着いていた。


 彼は片目を閉じ、地図で確認してみる。


 そこは地下一階で唯一最初から見えていた箇所。最後の人物が殺された場所だ。


 天井裏を移動した事と、零の案内で地図が埋まっていき、そこが中心部だと分かった。


「私は一緒に行かないから。彼女も君だけの方がいいだろうし。ある程度はアイツを引きつけてあげるけど、危なくなったら、隠れるから」


 零はカイトを残して、その場を離れていく。


「鍵も掛かってないし、罠もないわ。君が死ぬのを望んでないのは分かるでしょ。信用出来ないのなら、鈴を鳴らしてみたらいいよ」

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