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報酬

「大丈夫です。先に試してみてください。温め直せば問題ありませんので」


 零は朝食よりも謎解きを優先させるのを許した。従者にとって、魔法使いの言葉は絶対であり、拒否出来ないのだから当然だ。


 唯一、拒否出来るとすれば、主の命令だけ。主の命令が一番だからだ。この段階では進行に影響を与えないと、彼女はそう踏んだのだろう。


「当然ね。アンタも早く行動に移しなさいよ。季節と薬草を合わせるんだからね」


 ディアナが指示するよりも先に、キスが十に命令する。


「構いません。私の従者であるなら、答えは分かるはずですよ」


 彼女は答えを示さず、十に解答を委ねた。常にいたとされる一ではないのだが、それぐらいには信用している。自身の従者であれば、正解するのが当たり前とディアナは思っているのだろう。


 十は主であるディアナに頭を一度下げ、謎解きの行動に移っていく。


春=色( ) 薬草( )( )

夏=色( ) 薬草( )( )

秋=色( ) 薬草( )( )

冬=色( ) 薬草( )( )


 彼は一切の迷いがなく、ランダムに置かれていた薬草の絵を定位置だと思われる場所に差し込んでいく。


 そして、最後に冬の青色の壁に蜜柑を飾ると、ガチャンと音が響き渡った。


 食堂の天井に飾られていたシャンデリア、メアリ達が集まっているテーブルの真上にあった物が、ゆっくりと下に降りてくる。


 十は季節の薬草の絵を飾る場所を全部正解した事による報酬があるのか。それとも、新たな謎解きの場所のヒントが示されているのか。


「謎を解く事で仕掛けが解除されていくわけですね。シャンデリアが降りてきたという事は、何か上に隠されていると」


 シャンデリアが降下が止まり、鎖の部分がディアナ達の視線にぶつかった。


 その鎖部分に紙束が糸で結ばれている。この謎を解いたのはディアナであり、糸をほどく権利は彼女にある。それはメアリはおろか、キスやアルカイズも納得するところだろう。勿論、それに触れ、ディアナの手元に持っていくの従者である十の役目だ。


「これは……館の見取り図というところでしょうか。一人だけではなく、全員分が用意されているようです。それと紙束の中に鍵が四つ。何処かの部屋の物でしょう。丁度、四つであれば、分けるのが当然ですね」


「そうだな。こちらも地図だけでなく、鍵の一つを貰えると助かる」


「危険を避けるためでもあるでしょうけどね。鍵があっても、何かしらはあるかもしれないし。それを全部解除するにも、魔法の使用回数は制限されているわけだから」


 ディアナは謎解きの報酬を独り占めせず、アルカイズ達に渡していく。地図だけでなく、何処かの鍵も人数用意されているのだ。


 謎解きもディアナでなくとも、アルカイズやメアリも解けたはず。そして、この場は協力する事になっていた。


 ディアナの指示で十が主に直接ではなく、従者に見取り図と鍵を渡していく。


 どれがどの部屋の鍵なのか分からないので、当然ランダム。どんな謎解きや罠があったりしても選べない。

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