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幕間 ー20ー

 アインズが記憶の本で見るのは、事件内で起きた出来事のみ。それ以前の過去を知る事も可能ではあるが、見るつもりもない。


 殺害動機、理由を知る事は可能だろうが、謎解きには関係がないからだ。


 知るとすれば、謎を解いた後に犯人が白状する時で十分。無闇に過去を知れば、先入観が生まれてしまうのもある。


 とはいえ、メアリや館の主の過去話はアインズの耳にも入った。これに関しては、メアリ本人が告げた事だから仕方がない。


 館の主はツヴァイとは一度ではなく、二度会ったらしい。


 メアリは昔にツヴァイと会った可能性はあるのか。


 館の主がメアリの姿を見た時、ツヴァイと間違えて、話し掛ける事はなかったのか。いや、無視する事は出来ないのではないだろうか。


 生贄にするためだけに、彼女をこの場に呼んだのか。


 これはメアリの過去を見れば、掴める事だが。今までの情報のみで、アインズは考える。


「事件中ではなく、事前だろうな。カイトの呪いがなくても、連れていかなかった。擬似的世界において、強制的に参加する事によって、彼女の行動も変化したのか」


 メアリが協力者だった場合、魔法使い殺害に手を貸していたのかもしれない。だが、カイトに疑われるのを避けるため、キス側についた。


 感視の魔法もキス達に嘘を吐いていた。


 バレないように、ある程度の記憶を封印する魔法があれば、使用していたのか。


 思い出すきっかけとして、共感の魔法はどうなのだろう。


 共感した話題を相手に話させるわけだが、それによって自身にも何かが流れる事はないのか。


「ツヴァイは私が参加する可能性を、館の主に吹き込んでいるはず。それをメアリにも伝えてあったのかも気になる」


 擬似的世界が展開され、異分子となるのが誰なのか。メアリがカイトを連れて来るつもりがなかったとすれば。


 彼女はカイトが異分子だとすぐに分かったはず。


 勿論、零達側からしても、カイトが来ると予想していなかった。彼が一番に疑いを持たれただろう。


 それでも、カイトを殺さなかったのは、メアリが止めたからだとしたら、彼女が異分子と思われてもおかしくはない。


「メアリが捕まったという言葉も間違っているのかもしれない。生贄というのは……」


 アインズはそこで言葉を詰まらせた。メアリが館の主の協力者だとして、自らを生贄にするはずがない。


 あの絵をメアリ自身も見ていたとすれば、利用しようとしてるのは察する可能性もある。


 そうだとしても……引っ掛かる部分がアインズにはあるようだ。


「……カイトとしては、警戒するのは零になるだろうが」


 メアリも最後には亡くなっている。それを可能性なのは、館の主か零しかいないだろう。だが、彼女は誰に殺されたのかを記憶にしていない。


 協力者であり、残っている人物を考えたら、そんな事はあるのだろうか。

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