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幕間 ー19ー

「二つの魂。四つの死体は誰であるかは判明している」


 二つの魂はディアナとアルカイズ。


 三、七、十、謎の人物がツヴァイ……館の主の協力者。その死体はアインズも先程目にしているから間違いない。


 残るのは一つの魂と、二つの死体。擬似的世界で生き残っているのは三と十を除いて、メアリとキス、零と館の主の四人。


 この時点で魂と死体のどちらかにしても、一つ足りない。


 生存者がいる場合。その人物は零である可能性が高い。


 館の主は混血であり、短命。継承争いが嘘であれ、それは事実。


 メアリとキスは記憶の本がある以上、確実に亡くなっているのだから。


 だとすれば、零が死んだ時に死体が七つになるだけ。魂の数は変わらない。


 それが何を意味するのか。


 魔法使い達の中に館の主の協力者がいる事になる。


 もしくは、メアリ達の中に館の主はいた。だとすれば、人数も合う。


 そして、その可能性が高くなるのは……メアリだろう。


 一つ。彼女も館の主と同じ混血である。


 一つ。彼女が最後に殺された。


 一つ。カイトを連れて来なかったのは、何が起きるのかを知っていて、巻き込まないためだとしら。


 最後。絵画室にあった肖像画。


「これは私の考えであって、カイトに教える必要はない。事実であれば、私から教えられるよりも、彼自身の目で」


 メアリが協力者である事は確定ではないが、事実になった場合、アインズの情報が邪魔になる。


 カイト本人が直接本人……もしくは、目の前の行動を見るしかない。そうでなければ、彼は信じないだろう。


「彼女が協力者だった場合、問題があるとすれば、何時と理由だな。理由はやはり……」


 メアリが館の主に協力する理由。もしくは、仲間であったが、彼等を裏切ったのか。


 協力者であれば、従者達を殺害する理由はない。


 魔法使いと従者の立場逆転を良しとしなかったのか。


 メアリにとっては、そこも関係がないだろう。混血の魔法使いであり、中立の立場とも言える。


 だとすれば、彼女の目的は最初から変わらない。彼を……カイトの呪いを解く事。その一点だろう。


 互いが死ぬまで、長く共にする事を望んでいたのか。


 結局は彼女の願いは叶わないままに終わった事になる。


「メアリは最初からこの場にカイトを連れて来る気はなかったのか……それとも、途中で話を持ち掛けられたかになるが」


 擬似的世界内でもメアリが協力を持ち掛けられるタイミングは幾らでもあった。勿論、それは館の主ではなく、零を通してとなるが。


「……メアリの過去を見る事は出来ないが、この出来事以前だろうな。下手すれば、カイトと知り合う前までに遡るかまでは予想出来ないが」

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