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幕間 ー17ー


 時は遡る。


「アインズも呼んだのか? 契約は解除されているが、時間が経ち過ぎだ。魂もとうの昔に消えていて、体を入れ替えても馴染む事はないからな。別の使い道があるのなら、持って行っても構わないぞ」


 アインズは複数の死体が流れ着いた事で、別の死神に手伝うように呼ばれて、この場にやってきた。


 この場といっても変わった景色でもない。何もないと言うべきか。漆黒の空間。


 死体が流れ着いたというが、波のような物もない。何処かしらの空間から生まれ出るように、出てくる。生まれるという言葉を使うのはおかしいのか。排出される方が正しいのかもしれない。



「っ!! その死体は……ツヴァイが契約した相手じゃないのか。アイツがいち早く来たのではなく、この場に捨てたのでは?」


 アインズが見た死体は四つ。それも先程までに何度も見た人間の姿をしていた。


 三、七、十の三人。彼等の姿を見間違うわけがない。


 彼等は直接ツヴァイとは関係なくとも、主との契約が繋がってしまっていたのだろう。


 そして、もう一人。零ではなく、アインズも彼女の顔は見た事はなかった。


 ただし、心当たりはある。


 擬似的世界で三の偽装死体とされた人物。彼女の顔は見れてない。


 本来、彼女は別で殺害された可能性もある。もしくは、ツヴァイが修復したか。


 この時に死体を捨てたのだから、ツヴァイもアインズを惑わせようとした可能性も十分ある。


「そういえば……この死体達を見た事があった気がする。ツヴァイが持ち帰ってきた死体達だ。他に別の魂が一気に三つ程届いていた時だから覚えている。ただ……死体の数が足りてないな。六つはあったと思うんだが」


 死体に群がっていた死神の一人が、ツヴァイの行動を見ていたようだ。それも今ではなく、過去の出来事。


 ツヴァイは事件直後に死体達を自身の居場所に運んだようだが、おかしい点がある。


「六つの死体!? それに三つの魂だと……数は間違えてないのか? 魂は四つという事は……」


「いや……確かに三つだった。魂は同じ世界から、連続で来たからな」


「だとしたら……考えられる事は一つ……いや、二つか。だとしても……」


「どうした? さっきの続きを考えているのか? ツヴァイもすでにいないようだ。彼女が更に死体を追加で持ってくるのを待つか? 四つの死体は貰い手が決まったようだからな」


 ツヴァイが追加で死体を持ってくる事はないだろう。下手すれば、アインズに事件の答えを教える事になる。


 逆に死体を放置した事により、アインズをあの場所から外した。


 カイトに何か仕掛けようとしているとも考えられる。

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