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タイミング

『君や事件の事を知っていて、助言を? ……らしくない。いや……そのための……』


「僕に話し掛けてきた相手を知ってるんですか? 彼女は貴女の仲間という……」


 死神の口振りからして、知っている感じがある。彼の頭の中に話し掛ける事が出来たのは魔法ではなく、死神と似た力だったのかもしれない。


『……同種ではあるが、仲間ではないな。本来、邪魔をしてくるのは……なかったんだが……今回は違うようだ。それもこちらだけでなく、そちらともなると』


「そうなんですか!! 僕の方だけでなく、そちらでも何かをして……そのために遅れてしまったんですね」


『……死神としての仕事絡みで、駆り出された。そいつは先に行ってたらしいが、私が行った時には姿はなかった』


 あの場所で死者を待つ以外に、死神には仕事があるようだ。カイトに協力してるのも仕事ではなく、趣味。謎解きが好きだと言っていた。


「それに対して……聞いてもいいですか?」


 カイトは死神の仕事内容よりも、死神に彼女の仕業だと思わせたのかが疑問に感じたのだろう。


『……私がいない間に起きた出来事を全て聞くつもりだけど、その前に言っても良いのだが……一つだけ。三や十はどうなったのか分かるか? 死んでいたのが偽装だったはず』


 カイトが気絶、眠らされたのは、三との会話の最中。十もキスと別々になる前に姿を目撃している。


 しかし、死神はこのタイミングで二人の行動を確認しようとしているのか。


「……その二人ですか? メアリ様やキス様ではなくて? そこに零も含まれてないのは……」


 カイトが単独行動を続けている事で、合流していない事は分かる。だが、先に安否の確認はしてもいいはず。


『……死体が流されてきた。こちらの世界に魂だけでなく、体も来る事はある。魂が抜けた、体のみが』


「……意味が少し……三と十が殺されているのは、先程確認したところなんですが……もしかして、二人の死体が……でも」


 タイミングとしては、死神が二人の死体を先に発見している。十に関しては、殺されて時間は経過していないはず。


 そんなに早く死神がいる場所まで行く事は可能なのだろうか。


 そもそも、二人の死体は消えていはい。三の死体を確認するのも、下を見れば分かるはず。


 カイトは三の死体が見える位置にまだいるのだから。


『間違ってないぞ。忘れたのか? ここは擬似的世界であり、この世界における死は無関係だ。それを勘違いさせるタイミングではあるようだが』


 カイトが見た三と十の死体は、死神の世界に流れ着いた物とは無関係。


 だが、死神を足止めするには十分な素材ではあるのかもしれない。

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