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魔法の威力

「っ……」


 二人の衝撃的発言にカイトも思わず声が出そうになる。


 あちらの声が聞こえるのなら、彼の声が零達に届いてもおかしくはない。


 むしろ、聞こえるように話しているのか。


 声はその場に留まってなく、近付いてくる。零達は移動しながら会話をしているようだ。


「魔法使いを殺すためには、どう魔法を使わせないようにするか。継承争いのルールに組み込むのは良い策だった。完全に使用禁止にするわけではなく、回数制限にする事で怪しまれずに済んだわけだ」


「実際、無制限なんだけどね。魔法欲しさに破るわけにもいかないから」


 二人の会話で魔法は制限以上に使える事が判明した。


 キスが殺害され、残っているのはメアリだけ。 


 それでも制限がないと分かれば、助かる手段はある。


 だが、ルールを破る事になるのは間違いない。これを彼女がどう受け取るか。


 そもそも、カイトがメアリと再会しなければ、意味がない。

 

 それともう一つ……二つだ。三が重症を負い、儀式が終わるまでは休むようだ。


 キスの魔法を顔に受け、喉までやられた形なのか。重症ではあるが、致命傷まではならなかった。


 それはありえるのだろうか。


 キスが得意とするのは攻撃魔法。もし、残り一回の時に戦闘に入ったのなら、確実に殺すつもりで放つはず。


 それが顔と喉だけで済む事なのか。儀式後に合流するのなら、身動きが全く取れない状態にもなっていない事になる。


 とはいえ、それは不可能ではないのかもしれない。


 回復魔法。館の主が持つとさせる魔法の一つだ。


 メアリはこの魔法を継承して、カイトの呪いを解くのが目的。


 回復魔法があるのなら、三の重症も治療出来るのではないか。致命傷までも回復出来るのか。


 だが、十は片腕を無くしている。その片腕が残っておらず、焼却炉に燃やした。


 流石に無い物を再生するまでは無理だという事は、彼の腕が戻ってないのが証拠になる。


 更に言えば、零の腕が回復されているかどうか。


 彼女は黒の侵入者、三が放った矢を腕に受け、怪我を負っている。薬草で治療はしたが、完全に回復したわけではない。


 カイト達が見てない間に回復魔法を施されたか。


 だとすれば、キス殺害に向かうのは十ではなく、零の方が万全ではないだろうか。


 三と十が向かったのは、零の傷が回復したわけではなく、戦力として片腕の彼の方が上だったとも考えられる。


 この二人の会話を死神が聞けば、どう反応したのか。新たな見解が生まれたのか。それが分からないのがカイトにしては悔やまれる。

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