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五日目


「……ここは……っ!! そうだ。背後から攻撃されて……治療されてる?」


 カイトは三との会話中、背後から毒矢を受けた。その毒は従者の部屋で彼を眠らせた睡眠ガスの原液。それが直接体の中に入り、攻撃してきた相手も見れず、即座に寝落ちしてしまったのたのだ。


 今はベッドに寝かされていたようだ。起き上がり、痛みで射抜かれた脇腹を見ると、薬草と共に包帯が巻かれているようだ。


「拘束もされてませんね。従者の部屋や移動した自室でもなさそう……」


 カイトは寝かされていたベッドの周囲を確認する。


 ベッドと時計しか置かれてないのは初期のメアリの部屋と同じだが、その広さは半分以下。


 本当に寝るためだけの部屋なのだろうか。


 従者の部屋や客室が用意されている中、このような部屋がある理由は?


「時計が指しているのは七時? 朝か夜なのかどうかも分からない。五日目に入ったのかもしれない」


 継承争いは七日間。この出来事は最終日まで行かずに終わっている。


 流れが違っても、この五日目で魔法使い全員が殺されている可能性は多いにある。


 今の段階でカイトが生かされているのは、メアリが生存しているかもしれないが、キスが引き離されてから、どうなったのか。


 彼女が使用出来る魔法は一回だけ。五日目になれば、回数は回復するのだが。


 カイト捕縛時、三ともう一人いたのだから、無事であってもおかしくはない。


「…………おかしい」


 カイトは一人で声を出していたが、死神に話し掛けているつもりだった。


 再度、頭の中で話し掛けても、彼女からの返事がない。


 死神の繋がりが途切れた時、カイト自身も意識を失う状態になった。


 今回、彼が毒を受けた事による一時的な意識遮断。死神は関与していない。


 カイトが目覚めた時、彼女も擬似的世界を見ているはずなのでは?


「地図は……見えなくなってる。あの場所で何か起きている? けど、今回は僕自身は目を覚ましているわけで」


 カイトは片目を閉じる事で、メアリ達の記憶を元にした地図を見る事が出来る。


 彼女達が踏み入れなかった場所も、彼が行く事により更新されていき、穴埋めのようにして、どの場所にいるのか判明するのだが。


 それは死神の能力によるものであり、カイトは地図が見る事が出来なくなっていた。


 つまり、どの位置にいるのか分からない状態。


 だが、二階は隠し部屋がない限りは、全ての部屋に行き、埋まってはいるはず。


 彼が意識を失ったのは外。館とは別の場所に運ばれた可能性もある。

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