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幕間 ー12ー


「ふぅ……カイトには申し訳ないが、頭の中を整理するには丁度良い時間だ。そろそろ、終盤と言っても過言ではないだろうな」


カイトが意識を失った事により、記憶の本は閉じる事に。


 アインズが生み出した擬似的世界ではあるが、彼が意識を失っている間の出来事を盗み見る事はしない。


 出来なくはないが、それは謎解きの答えを見るに等しい行為。


 犯人視点での展開であれば、それもいいが。今回は謎を解く側だ。


「黒幕はツヴァイと分かっている。彼女は私が参加する前提で犯人に知恵を与える。それを踏まえて、再度確認していこう。これに関しては彼にも伝えられない」


 この事件の黒幕。真犯人と呼ぶとしたら、ツヴァイ。


 ツヴァイも死神であり、アインズをライバル視している。


 彼女は様々な世界で死を振りまく。その世界の住人に知恵を与え、殺人事件を起こす。


 選ぶのは死が決定している人物であり、そこまでの過程を変える。


 命を摘み取るのは死神の役目であり、間違ってはいない。


 死神としておかしいのはツヴァイではなく、アインズ。


 死神は魂の救済をする必要はなく、彼女の趣味でしかない。


「先程のカイトの疑問は最後にしよう。先に確定した事の整理していく」


 確定したのはメアリ以外の魔法使いは従者に殺害された。


 擬似的世界で起こった殺害方法ではないとはいえ、犯人は間違いないだろう。


 アルカイズ殺害に関しては、三から言質を取っている。


 七のキス殺害は失敗に終わったが、カイトがいなければ、他の従者達が協力したはずだ。


「ディアナ達の自身を殺した相手に記憶してない理由も分かる」


 死んだ相手が殺しに来るとは思わないだろう。まして、自身の従者なのだから。


 命約という安全策も、解除する魔導具の存在も知らなかったのもあるだろう。


「目撃したとしても認めたくなかった可能性も十分ある」


 今回、三がアルカイズを罠に嵌めた事により、アルカイズ自身はそれを知ったはず。


 ディアナも十の生存を確認し、部屋の中に招き入れた事により、殺された。


 後者はともかく、前者に関しては、誰が起こしてもおかしくはなかった。


 それでも魔法使い達の記憶になかったのは、従者に殺されたのを認めたくなかったのか。


 彼女達の記憶に従者の名前は当然として、与えた数字もすらも本に書かれていなかった。


 逆に言えば、従者の数字を書かなかった事自体、犯人を教えていたのかもしれない。

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