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勧誘

『あの死体が何者なのか。知られたくないという証拠だ。出鱈目を言うのも危険だと考えた結果だろう』


 あの死体は侵入者だった。辞めされた従者の一人だった。カイトの代わりに用意した従者。どれも信用出来そうな言葉であり、嘘だとバレる要素はない。


 今いるのはカイトだけであり、魔法使いが側にいるわけでもない。しかも、間違った考察をしていたのだから。


 それを三は自己判断で訂正してしまった。それが危険だとは分からずに。


『彼女も答える権利が限られてはいるのは分かるのだが。それを決めたのは館の主、ゴールド=ゴールなのか』


「……そうなるとは思うのですが?」


 三達が命令に従うとすれば、本来の主。館の主ではないだろうか。


 カイトはそう言うが、違和感が拭えないように歯切れが悪い言い方になっている。


 本当に館の主の指示であるなら、余計な事はさせないのではないか。三つの質問に答えるのも、三が決めた事だ。


 メアリのような主であれば、許容してくれるだろう。館の主は混血であり、そこはメアリと似た部分がある。


 従者にある程度の自由を与えているのか。


 そんな中でも死体に関して、口を閉ざすという事は余程知られたくない事を意味している。


「最後の質問は勿体ない事をしたわね。これ以上は答えないし、次は私からの最後の質問……というよりも、勧誘ね」


「勧誘……貴女達の仲間になれと。そして、メアリ様を僕に殺させるつもりですか」


 三はアルカイズを殺害し、七もキスを殺そうとした。ディアナ殺害が十の仕業であれば、カイトにも魔法使い殺しをさせてもおかしくはない。


 それが従者と魔法使いの立場逆転。下剋上の一歩と言っても過言ではないはず。


「違うわ。壱にメアリ殺害は頼まない。反対するのは目に見えてるから。彼女を殺すかまでは決まってないのよ」


 メアリ殺害は決定ではない。それも壱にさせるつもりもないらしい。


「当然、理由は言えないから。壱達が想像していた事かもしれないし」


 カイト達が想像したのは、メアリを依代にする。三はその話を零から聞いたのか。


 メアリの体があれば十分というわけではない。中身が変わってしまえば、死んだのも同然だ。


 意識が残る可能性もゼロではなかったとしても、危険なのは確実。


 彼が仲間になったところで、それが回避される事もないだろう。


「……メアリ様殺害でないとしたら、他に条件があるのではないでしょうか? 素直に頷くとは貴女も思ってないですよね?」


 三から勧誘してきたが、仲間になるための条件はあるはず。簡単に自分達の懐に招き入れたりはしないはずだ。

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