表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
408/416

黒の侵入者=?

「やっぱり逃げないのね。命約が切れるまでの距離を稼ぐ時間なら、与える事は可能なんだけど」


「三!?」


 焼却炉がある方向から、変声がカイトの耳に聴こえてきた。


 彼が外に出されるのは予想されていたのだろう。この場に待ち構えたのは零ではなく、黒の侵入者。


 マスクを付けている事で声が変わっており、三本人であるかは判明されていない。


 黒の侵入者はボウガンを手にしており、矢もセットされた状態。だが、それをカイトには向けていない。


 彼を殺すのではなく、会話を優先するつもりなのだろう。とはいえ、近寄る事はせず、距離を取っている。彼の手には斧があるからだ。


 彼女が攻撃をしなくても、カイトが攻撃を仕掛けてくる可能性を考慮しての事。


 前回、仕掛けてきたのは黒の侵入者側なのだから、当然の行動となる。


「……その名前で呼ぶなんてね。最初から死体が私じゃないと疑っていたようだけど……」


 黒の侵入者は自身が三であると肯定した言葉を発し、マスクを外した。


「素顔を晒した方が、壱も答えやすいでしょ。あの死体は白の燕尾服を着て、背丈も一緒。ポケットの中身も壱しか知らない物を入れていた。殺され方も人形と同じだったはずなのに。それを貴方に聞いてみたかったのよ」


 これは彼女の純粋な疑問だったのだろう。疑ったのはカイトではなく、死神。幾つもの事件を解いたによる経験。知識や勘も働いたのだろう。


「……こっちの質問にも答えてくれるなら」


「私が答えていいのは限られてるけどね。それを見つけられたら、答えてあげるわ」


 カイトは三にメアリの安否、居所を問い詰めるのではなく、情報の交換を要求した。


 勿論、これは死神の指示。


 メアリが無事である事は、三の言葉からも分かる。命約が切れる距離まで離れていいのであれば、彼女に何もしていない事は明白。


 カイトとメアリが命約を結んでいない事もバレていないようだ。


「先に壱から答えて。そちらが不利になるような事はないはずよ。その間に質問をどれにするかも悩める時間にもなるわ」


「……それで構わないのですが、こちらの質問の回数を増やす事は出来ませんか? その分、そちらの質問を増やしてもいいので。答えられるかは別として」


 一回でも失敗すれば終わりではなく、質問の数を増やす。カイト側だけでなく、三側もそれを良しとする。勿論、カイト側が有利になるだけなのだが……


「……良いわ。お互いに三回まで。答えられない場合もありで」


 質問回数は互いに三回。彼女は最低で三つ、もしくは最高で三つまでしか答える事が出来ないのか。


 カイトであれば、その三つを引き当てる可能性があると、三が考えていてもおかしくはない。


 彼女はメアリ達と行動中、カイトの力を間近で見ているからだ。勿論、死神の協力によってだが。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ