表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
407/416


『まさか、こうなるとは……アレが裏目に出る事になるとは』


「……警戒して、別の入口を探すしか……待つにしても、時間が勿体ないです」



『そうだな。誰かは息を潜めているはずだ。とはいえ、生きているだけで、良かった方だ。行先次第では、死ぬ事もありえたからな』


 罠に嵌り、床が開いた事で、地下へと落下死する可能性もあった。彼が死んだ時点で擬似的世界は終わりを迎える。


 だが、カイトは五体満足のままに生存に成功。


 真下に落下したのは一瞬で、体が滑っていく形。調理場から焼却炉に繋がるゴミの通路と同じ仕組みだろう。


 その結果、カイトが行き着いた先は外。館の外に放り出されてしまったのだ。


 カイトが出てきた出口は閉ざされ、押しても引いても、外側から開く事は不可能。


 重さと落下速度による衝撃が必要かもしれない。


 館の入口から戻る。それもメアリとキスが生み出した結界により、消えるまでの間は入る事は無理だろう。


 結界も弱まっているようだが、それでも一、二時間は必要ではないだろうか。


 地道に攻撃し、時間短縮するにしても、二重結界。一つ壊したところで、もう一つある。


 メアリを助けに行くためには致命的な時間になる。


「そうですね。ここは入口の裏側……ですか?」


『そうだな。黒の侵入者が待ち構えていた場所だ。像の位置がそれだ』


 死神が言う像というのは、侵入者対策の魔導具の事だろう。魔力が無く、壊れた状態。置かれている位置が前後左右で違っているのを覚えているようだ。


 そして、カイトが出てきたのは黒の侵入者が待ち構えていた場所。館の入口の反対側にあたる。


『別の入口を探すのも、ある程度の目星は必要だ。あるとすれば、この場所から焼却炉のある小屋部分ではないかと推測する』


「出口があるとするなら、入口も側にあるわけですか?」


 入口の反対側は浴室やトイレ、調理場等の端に面しているが、ドアらしき物は見当たらなかった。


 調理場は様々な魔導具があり、偽装している可能性はゼロではないが。


 あるとすれば、焼却炉がある方面か。地下にあり、一番怪しくはある。


 だが、零の監視があったものの、ある程度はカイトも調べる事が出来たが、入口らしき物は見つけられていない。


『七が赤と黒の侵入者を招き入れた事を考えた。別の入口があったとして、こちら側にあった可能性は十分ありえる』


 カイト達が焼却炉側に向かった事で、別の入口が使用出来なかった。


 別の入口が存在すれば、七が招き入れなくても侵入可能になるわけだが。彼が裏切ったのはすでに分かっている事で、すでに意味は無くなっている。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ