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破壊不可

「キス様の考えも一理あります。これを試す前に、別の方法でドアが壊せるのか」


 魔法を使わずにドアを壊す。最初、ドアを壊すという選択肢は考えてなかった。そうすれば、赤の侵入者を倒すための魔法が使える。


 戦闘力を考えると、一番は赤の侵入者だろう。それを倒すために魔法を使うのは必要な事だ。


 カイトは持っている斧でドアを叩き割れるのかを試してみる。


 時間を掛ければ壊せるのか。その分、音が響き渡り、赤の侵入者が戻ってくる可能性もある。


 時間が経過するだけ、メアリの危険度が高まるのも確かだ。


 斧の一撃で半壊すれば、続けても損はないはず。


「……っ!? これは……無理ですね。斧が先に壊れます」


 カイトがドアへ斧を振り落とすが、その硬さに弾き返される。硬さではなく、魔導具の効果なのか。


 ドアは魔導具ではなかったはずだが、鍵が壊された事に関係があるのか。ドア全体が硬化して、ドアノブを回せなくなった可能性がある。


 何度も試した場合、斧の方が先に壊れるだろう。斧よりも先に、カイトの腕が使えなくなる。


「部屋の侵入対策が施されたわけね。下手な魔法では意味がないのかも。火力が強ければ問題なきけど、この狭さなら、私達も巻き込まれるわね。壱が斧で試してくれて、助かったわ」


 カイトの行為は失敗に終わったが、キスが魔法をこの場で使わない事を決定的にした。


「そう言って貰えたら……これで先に行くしかなくなりました。相手が痺れを切らして待つ事も出来はすると思うのですが」


「それは壱的には嫌なんでしょ。私としても無理な話だわ。待ち続けるのは嫌いなの。どちらにしてもあちらが圧倒的に有利なんだから」


 部屋にある装置が移動手段であるなら、三達が罠を仕掛けている可能性が大。


 ドアが硬化され、部屋が閉じられた以上、それを使用するしか脱出方法が無くなったわけだ。


「まずは私だけで押してみるから、壱はそこから離れなさい」


 キスはカイトと反対側のスイッチのある場所へと移動する。


 魔法使いが触れる事で起動する可能性が残っている。


 館の主がこの場のみ手伝った可能性もあるが、触れるだけで良いのであれば、気を失っているメアリの体を使えばいい。


「確か……ここを押してたわよね」


 彼女はカイトが触れていたスイッチを手探りで見つけて、押してみたが反応はなし。


「……やっぱり、一人では無理そうね。少し違和感……魔力がほんの少し無くなった気がしたんだけど……」


 反応は示さなかったものの、キスの体から魔力が出るのを感じ取ったらしい。とはいえ、それはほんの僅か。気に留める程の魔力ではないようだが。

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