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赤の侵入者=十

『……ドアを閉ざす瞬間、片腕がないように見えた。赤の侵入者……十の可能性が高い』


 赤の侵入者は十。外での襲撃時、カイト達の背後を取り、攻撃を仕掛けてきた。


 黒の侵入者は待ち伏せした状態。先に出ていた可能性を考えれば、三の可能性が高い。


 片腕が無ければ、十でなくとも、赤の侵入者である事は間違いないだろう。


「何か音が……ドアは自動的に閉まったわけではなく、人の姿……赤の燕尾服を着た侵入者の姿が」


「……微弱だけど、魔力を少し感じたわ。先に工房で魔導具を取っていたようね」


 カイトとキスが工房を出てから、そこまで時間は経過していない。その隙に移動して、魔導具を使うのは難しい。


 ここに誘導するのを狙っていた時点で、事前に用意していたはずだ。


「なるほど……鍵が壊され、ドアを開かないようにしたみたいね。壱は臭いを確認しなさい。目だけでなく、鼻も使えるでしょ」


 カイトではなく、ドアの近くにいたキスがドアを確認する。時間の猶予を優先された結果だろう。


「はい!! 臭いは……」


『部屋に入った時と変化はない。毒を流し込まれたわけではなさそうだ』


 二人を部屋に閉じ込め、毒及び睡眠ガスを流し込む可能性もゼロではなく、キスはその対策のため、カイトに鼻を使わせた。


「大丈夫です。臭いに変わりはありません」


「そうではないと分かっていたけど、念のためよ。鍵を壊せば、簡単にこの部屋に入れないはずだからね」


 鍵が壊された以上、相手側もこの部屋に入る事が難しくなる。


 この部屋から移動した先で、この場所に戻れるかも不明。魔導具だとすれば、何度も使用すれば魔力切れを起こす。


「どうしても、この先に行かせたいわけよ。それも私と壱を分断させてね。けど、閉じ込めたのは悪手。選択肢を増やしたわ」


「……選択肢ですか? 閉じ込められた以上、ここから出る手段は一つしか」


 キスはカイトとは逆のスイッチを試そうとしていた。同時に押すつもりでいたはず。


 それを後押しするため、赤の侵入者はドアを閉めたのだろう。間違った行為ではないが、ある意味でミスを犯した事になる。


『合流手段か。赤の侵入者が別経路でそちらに行ってもおかしくはない。だからこそ、部屋を閉じても問題はなかった』


 別室での謎解きの報酬が移動方法の可能性も十分ある。


「別経路の可能性があるのは分かりましたが、ここから出る方法に」


 カイトは死神だけでなく、キスに再度言葉にする。


 この装置らしき物を使う以外に方法がある事に、カイトも気付いた。

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