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閉鎖

「こういう時に壱の目は役に立つわ。零達が使った跡が見えたようね。二つ……というのが気になるところよ」


 それ以外に何もない以上、そのスイッチや扉の形した線に触れるしかない。その箇所が分かるのはカイトのみ。彼が最初に触れなければならない。


『流石に罠という事はないだろう。この場所に来たのは明らかであり、そこで姿を消したわけだ。移動手段として考えるべきなんだが』


 死神の言葉の歯切れが悪くなる。


 カイトは右端の壁にある手の跡に、自身の手を重ねてみる。動く感触があり、それを押してみるが、前にある扉の線は何の反応も示さない。


 手を離すと、スイッチは元の位置に戻っていく。


 次は扉の線に触れ、中央部分を押してみるが、うんともすんともしない。扉の線は騙すためのものなのか。


 死神の目、目を凝らして、ようやく見える物を騙すために使うとは思えない。


 カイトはもう一方、左側の方へ足を進める。


 スイッチを押す順番があるのかもしれず、右側同様、壁にある跡に手の平を重ねて、押し込んでみる。


 押し込む事は出来るが、反応はなし。離してみると、凹んだままではなく、元の定位置まで戻ってしまう。


「一つずつでは意味がないとすれば、同時に押す事が条件でしょう)。それに扉も二つあるのだから……ここに誘い込んだのも、私達を分断させる狙いがあるのかもしれないわ」


 だとすれば、メアリを運んだのも複数人……二人はいた事になる。スイッチの同時押しが条件なら、メアリ自身が押すはずもない。


 三と零、十の二人が移動したと考えていいだろう。


 キスも部屋の入口前から奥へと進む。カイト一人で無理な以上、片方をキスが押すしかない。


 もしくは、この部屋を諦めて、別の場所を探してみるか。カイトが持つ鍵を何処で使用するか。


「……キス様!!」


 彼女が入口から離れるのを待っていたかのように、念のために開けていたドアが閉ざされた。


 自動的に閉まったのではなく、人為的な物。


 死神の目がドアを閉める誰かの姿を捉えたからだ。


 一人が別の部屋に隠れていた。ドアが開いていた時に、キスを狙う隙は幾らでもあっただろう。


 それをしなかったのは、この部屋に閉じ込めるため。


 いや……二人に装置を使わせ、移動させるためか。


 この装置、魔導具を使用するのに二人が必要だったとして、零と三、十の三人で行動しているのであれば、一人が余ってしまう。


 一人がメアリを担いで移動した場合、もう片方に二人移動出来てもおかしくはないのだが。


 カイト達の行動を監視する役を一人に置いていた可能性もある。

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