表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
401/404

狭い部屋

「私もそう思うわ。ここを使用した直後になるのだから、罠はない……と思いたいけど」


「念を押して、慎重に開けます。誰かが残っていてもおかしくはないですから」


 メアリを運ぶために全員でなくても問題はないはず。時間稼ぎをするために、誰かを置く事も考えられる。


 七の死体が放置されていたのも、時間稼ぎという理由もあったかもしれない。


『七を殺してまで、キスを生き残らせたわけだ。罠に嵌めて、君達を殺すつもりはないだろう。誰かが残っている可能性も低いはずだ』


 死神は高確率で部屋に誰も残ってないと口にする。


 罠の可能性が低い事はキスやカイトも理解している。


『正体を明らかにして、メアリがいる場所へ案内する。だとしても、キスの存在が邪魔だ。彼女が相手の話を聞くとも限らない。ついて行ったとしても、相手の思う壺だ。無事で済むわけがない』


 侵入者側からしても、この場に残るのは危険だ。下手すれば、キスに殺される。だからといって、その逆が出来るかどうか。


 メアリの場所を案内するにしても、信用出来るのか。


 ディアナやアルカイズ、仲間だった七も殺害している。メアリも捕縛している状態で、それは無理な話だろう。


「妥当な判断だけど、待ち構えている可能性は少ないわね。私達を案内するのなら、別にこの部屋でなく、階段や七の死体があった場所で待っていればいいはずよ」


 キスも死神と同じ考えのようだ。


 カイトはキスの考えに頷き、ドアを開けた。


「キス様の言う通り、誰も待ち構えていませんね。むしろ……」


「何も置かれてない。私に用意された部屋に近い状態ね」


 この部屋には何も置かれていない。別の場所に移動するための鏡の魔導具もない状態だ。


『だが、他の部屋よりも……メアリの部屋よりも狭い。何かがあるはずだぞ』


 相対的な事を考えれば、メアリの部屋とこの部屋は同じ大きさでなければならない。


 物の多さで狭く感じるのであれば良いが、何も置かれてない。


 となれば、壁の厚みが違う事になる。そこに何奥行きもそうだが、両側の幅も狭い。


『……あれか。壁に僅かながら手の跡が残っている……扉のような線も両側に形跡がある』


 死神の目はメアリ達の部屋との違いを見つけた。奥の左右両側に扉の形をした線の形跡が残っているようだ。


 それに加えて、狭まった左右の壁に見えないスイッチでもあるのか、不自然に手の跡も発見したらしい。


「キス様。怪しい箇所が四つ見つかりました。多分ですが、二つは起動するためのスイッチだと思うのですが」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ