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端の部屋

『別の方法に切り替えた案は十分にある。従者が魔法使いを殺害するには、不意討ちや魔法の制限。色々な要素があって出来た事だ。従者に騙されているとも思っていない。それが今は破綻した。キスはあんな事を言っていたが、君がどう行動するかによるぞ』


「僕次第でメアリ様がどう動くか……ですか?」


『メアリが生かされている前提の話だが。従者達がキスを殺害するには、魔法を使わせないといけないだろう。もしくは、メアリや館の主が手を出さないと厳しいはずだ』


 従者達が真正面からキスを殺害するのは難しい。


 館の主が手を出すにしても、自身が無事で済むのかどうか。相打ちになれば、両方に意味がない事になる。


 キスからすれば、魔法を継承出来ず、館の主は儀式の失敗。


 彼女も攻撃された時点で継承を諦め、生き残る事を選ぶはず。


『キスが何かの理由で君を殺そうとする。逆も然りだ。君がキスを殺す展開だ。失敗しても、メアリが彼女に復讐するだろう』


「そんな事は……」


『ないとも言い切れないだろ? メアリとキスのどちらかを選ぶとすれば、君はメアリを取る。それはあちら側も承知しているはずだ』


 メアリを人質に、カイトにキスを殺させようとする可能性も十分ありえる。それも彼が死ぬ事を厭わない。死んだ方が有り難いまであるだろう。


「端に到着したわね」


 何事なく、キスとカイトは客室側の端に到着した。


 カイトと死神の会話時は時間が止まるのだが、それは一瞬一瞬で、歩みは止まった感じにはならずにいる。勿論、キスとの会話もあるからだろう。


「花瓶の魔導具にあった鍵が合うのかどうか……ですよね」


 ここでカイトがキスの前に、ドアの前に立つ。


 メアリの部屋の正面の部屋だけが唯一最初から鍵が掛けられていた。


 隣のディアナの部屋に隠し通路、他の部屋で開けられていた穴も存在していなかった。


「……鍵は……合わないようですが」


 花瓶の魔導具内に隠されていた鍵は、この部屋の物ではなかった。


 侵入者達がメアリを運んだのは二階であり、一階ではないはずなのだが。


 客室やメアリ達の部屋に隠れるのは、零がいれば可能ではある。


「鍵は合わなくても、ピアノ室やアイツの部屋みたいに開いてるわけね」


 カイトは鍵が合わない事を確認した後、ドアノブに触れた。施錠されていた事が二度あったからだ。


「はい。ですが……」


「誘導されてるのは明らか。この部屋に待ち構える理由がある。もしくは」


 侵入者達がこの部屋を選んだ理由。部屋の大きさは他の客室と変わらない。


 零、赤と黒の侵入者、それに加えてメアリ。その四人。儀式に道具も必要とするなら、この部屋は狭すぎる。


「別の場所に移動する手段がある……ですね」

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