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「メアリの従者の人形だけが、後で用意された? 単に置き忘れただけの事ではないか?」


 アルカイズは人形が増えた事に何の疑問も持たない。置き忘れたのを、増やしただけの程度の意識のようだ。


「それはないでしょう。試練、謎解きに必要な物だった場合、欠けてはならないはず。そのような準備が出来ない状態で私達を呼びますか。呼んではいけないはず。魔法使いとしての格が下がりますよ」


 ディアナはアルカイズの意見を否定。単に増やしただけでは、館の主、魔法使いの準備不足。自身の魔法を継承させる魔法使いを選ぶ、重要な儀式。それを中途半端に置き忘れたで済ませられる話ではない。


「その理由は分かっているんです。私の従者は体の調子が悪く、来る予定はありませんでした。ですが、回復した事で連れて来たわけですから」


 メアリはカイトが来るはずではなかった事を、ディアナ達に告げてしまった。


「メアリのところの従者は一人しかいないのだから、当然でしょ。体調が戻らなくても、私だったら連れて行くわ」


「選択としては間違っていないな。だが、それが一体どうしたというのだ? 君の従者が一人だと事前に知っていれば、この従者と似た人形は用意出来てたではないか?」


 メアリの従者は一人しかいない。その情報があれば、来る来ないかは別として、招待状を送った時には用意をしていてもおかしくはない。


「その可能性はあります。私の従者の場合であれば、問題ありません。ですが、皆様の従者に似た人形を作るのはどうでしょう? どの従者が来るのか予想がつかないはずです」


「確かにそうね。誰を連れて行くかは教えてないし、従者の数字を言っても、誰なのか分からないはずだわ。七が従者になったのも、そこまで時間は経ってないからね」


「三を一人で連れて来たのは始めてだな。ディアナの方もそうではないか。いつもの従者ではなかったのは、私達も驚いたからな。だが、それをゴールド=ゴールを名乗る者は当てたわけだ。その名を使用するだけはあるという事か」


『メアリの言う通りだな。彼等の従者は全員が連れて来たのは初。その従者の人形を作るのは流石に無理があるぞ。出来たとして、人形が魔導具であればの話だ』


 魔導具であったとしても難しいのではないだろうか? 触れた物の姿に変化するにしても、メアリ達が触るのには時間が必要になるかもしれない。


 まして、館の魔法使いであるゴールド=ゴールの魔力は無くなりつつあるからだ。人形如きに使う必要はなく、代案はいくらでもあるだろう。


「……そうですね。本来、ここに来るのは十ではなく、一でした。数日前に彼が大怪我を負うまでは」


「十と入れ替わったのは、彼が大怪我を負ったからなのか。ディアナが命を狙われ、命約が発動したのか? 私達のような上の位は下に狙われる事もあるからな」


 ディアナの一番の従者である一は十に実力を抜かされたわけではなく、大怪我を負ったらしい。その代替が十となったようだ。


「いいえ。命約は発動していません。私に危険が及んでも、彼が命約を受けるのは最後です。まずは下の者が命約の受け皿になります。貴方達もそうでしょ。実力のある者は残しておくはず。そうなるのは二人で行動する時だけです」

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