表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
399/422

ルールの意図

「キス様とメアリ様が殺し合う……戦闘するという事ですか? ですが、魔法使い同士の争いは禁止されていましたよね。侵入者ならまだしも、お互いに攻撃するなんて事は……」


 継承権争いにおいて、開始前に魔法使い同士及び、従者同士の戦闘は禁止されていた。


 何故、そんなルールがあったのか。


 館の主は戦闘ではなく、用意された謎解きをさせたかった。魔法だけでなく、頭の回転、柔軟性を要していた。それが回復、予知魔法に必要だったのかもしれない。


 謎解きをさせるのが趣味、嗜好だったという事もある。勿論、それは失敗するのを含めてだ。


 魔法使いの館が他の魔法使いにとって安全とは限らない。だからこそ、従者を連れて来る事が必須になっている。


 もう一つ。メアリの体が目的であるのなら、キス達に彼女を殺されるわけにもいかないのもあるだろう。


「方法なら幾らでもあるわ。私が壱を殺す事になったら? 私とメアリのどちらかしか生き残れないとしたら? 前者であれば、メアリは目的を失っているのだから、罰を受けても攻撃してくるでしょうね」


 メアリの目的は回復魔法だが、それもカイトの呪いを解くため。


 彼が殺された時点で意味がなくなってしまう。その相手にメアリが復讐しようとするのは目に見えて明らかだ。


 後者の方が、メアリは攻撃を躊躇うのではないだろうか?


「今思えば、魔法使い同士、従者同士の戦闘ではなく、殺害を禁止しなかったのをおかしく思うべきだったわ。私を含めて、魔法使いが従者を殺そうとはしなかった」


 魔法使い全員が他者の従者を殺す事はなかった。


 それは人形を見せた事も効果があったのかもしれない。


 そこで従者を殺害すれば、館の主と繋がりがあると疑われる。


 謎解きが多くあれば、一人で解くよりも相手を利用する。そのためには従者の命約は必要となってくる等、理由は幾らでもある。


「逆に……従者が魔法使いを殺すなんて事は無理……ディアナ達もそんな事を思わなかった。それが盲点だったわけよ」


 命約も結んだ自身の従者が、館の主に仕えていたと誰が予想出来るというのか。


「このルールは従者が主を殺害するために必要だった。十はディアナを殺害して、三はアルカイズを直接ではないとしても、死に誘導した」


 ディアナとアルカイズの殺害に関しては、キス達の想像でしかない。


 確定するためには、従者達の姿を見なければならず、答えを聞く必要もある。


「従者全員がそれをする必要があるのかは分からないわ。壱も含まれていたのかもしれない。けど、その目論見は失敗に終わった」


 分身ではあるが、七がキス殺害に失敗した。それだけでなく、本人に正体がバレてしまったのも問題がある。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ