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企み

 キスは自身を先頭にして、先に進んで行く。カイトが後ろを守る形だ。


 七の死は再度確認して、間違いなく死んでいるのが確定している。


 とはいえ、零達が工房以外の部屋に隠れている可能性は十分に残ってはいるのだ。


 調合室、工房、絵画室等の謎解きはまだ終わっていない。調合室と工房に関しては見つけてもいない。


 全ての部屋に謎解きがあるとも限らないわけなのだが。


「安易な考えだけど、今の段階では安全だと私は思ってる。相手もやり方を変えたんじゃないかしら? 一つは壱が私を置いて行かなかった事もある。第二に七の分身が私を殺せなかった」


 ディアナとアルカイズが殺された以上、キスだけを生かす可能性は低い。


 七が死んだ以上、主に対する恨みを持つ者はいない。生贄としての殺害はあるかもしれないが。


 単にキスを殺害するのなら、七にやらせれば良かった。どうにかして、キスとカイトを分断すれば良かった。


 第二書斎では失敗に終わったが、別の方法もあったはず。


「壱だけじゃなく、私に何かやらせるつもりなのかもしれないわね。どうせ、ろくでもない事だと思うわ」


 キスが二階の階段付近まで進めるが、侵入者達、三達からは何も仕掛けてこない。


 黒の侵入者、三はボウガンを所持していた。


 館外、三達の襲撃時、カイトに向けられたボウガンの矢は外れている。


 あの時は三が武器に不慣れであり、侵入者の魔法使いだと勘違いをしていた。


 だが、彼女はボウガンで七を殺している。


 突然、彼女からボウガンの奇襲を受ければ、キスも反応は出来ないだろう。詠唱も間に合うはずもない。


 それをしないという事は、彼女をまだ殺さないと決めたと予想出来る。


「ろくでもない事……キス様をそれをどんな風に考えていますか?」


 予想出来ていれば、対処可能かもしれない。


 キスにさせようとする事に、カイトやメアリが関係しないわけがない。


「可能性の低いのを上げると、依代がメアリから私に代わる事ね。絵画室にあった絵がメアリに似てるだけで、魔法使いとしては私の方が上のはずだから」


 メアリの体を使って、館の主が呼び出そうとして、失敗に終わったという可能性。その場合、別の魔法使いで試してみるのか。


 だが、生贄の数が足りてないだけなら、キスを殺してから、試してみた方が良いはずだ。


 キスもそれは確率としては低いと判断しているようだ。


 カイトもそれに関して、怒る事も否定する事もしない。彼女の言葉に続きがある事が分かるからだ。


「それよりも上だと思うのは、私とメアリを殺し合わせる事よ」

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