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隠れ場所

「コイツは私達の知らない場所で隠れていたはず。だとすれば、鍵を所持していてもおかしくないはずよ」


 第二書斎で調べたのは七の分身であり、何も所持してなかったのは当然だったのだろう。


 ただし、武器に関しては別。彼が持っていた武器を分身に渡したのだろう。


 零が倉庫の鍵を所持していて、彼に渡す隙がなかったのか。


 彼がキスをどう殺すのか。それは七本人に任せていたのかもしれない。


 結果的にそれが彼の不運を呼んだのだろう。裏切られるとは予想もしてなかったかもしれないが、剣を持っていれば、毒矢を弾く事が出来たのではないだろうか。


「……あったわ。この鍵を使う部屋で、七は身を潜めてたのでしょうね。それとディアナの従者……十も同じだったかもしれないわ」


 七が着ていた灰色の燕尾服から、新しい鍵が見つかった。


 彼が消えた際、ピアノ室や七の自室の鍵も無くなったと思いきや、赤の燕尾服と共に、部屋の中に置かれていた。


 となれば、別の部屋で使用出来る物だ。


 十が生きていた場合、その部屋に隠れていたとも考えられる。


 キス達はアルカイズ捜索等、何度も探索を続けても、彼の死体……姿を発見出来なかったのだから。


「壱が持っているのを含めて、二つの鍵がある。こちら側に来てしまったからには、残り一つの部屋に試してみるべきね」


『キスの言う通りだな。七がこちら側にいたのは、何かをするためか。隠れていた場所があったのか。そこに地下への階段があれば良いのだが……可能性は低いだろう』


 七がこの場所で殺されたのは、こちら側に何かをしていたのは明らかだ。


 鍵の掛かっている部屋に隠れていたのか。零と合流しようとしていたのか。


 分身が第二書斎にいた以上、それを作り出すため、そこにいたのは間違いない。


「そうですね。そこに別の誰かが隠れている可能性も。彼が殺された事で複数人いるはずですから」


 カイトはキスの提案に賛成する。そこが隠れる場所の一つとなっているのなら、一人が待機していてもおかしくはないはず。


「七の殺害、メアリの捕縛、もう一つの鏡の魔導具の場所で待機する必要もあった。少し前までいた零だけに出来る事じゃないわ。外にいた侵入者が中に入っている事も考えておくべきね」


 赤と黒の侵入者の姿を目撃出来れば、結界を再度張るための魔法は必要なくなる。


 侵入者相手に魔法を使用する事が可能になるという事だ。


「けど、こちら側に隠れているのはないわね。内側から鍵が出来るとしてもよ。それだったら、分身みたいに死体を消さなくても、鍵ぐらいは取れたはずよ」


『分身みたいに消すのは難しい。部屋の側であれば、死体ごと運ぶ事も可能だろう。矢を抜かず、マスクを剥がさなければ、僅かな血しか発見出来ず、メアリが怪我をした程度でしか思わないかもしれない』


 七の死体から大量に出血が出たのは矢を抜いてから。口から出た血もマスクが塞いでいたぐらいだ。


 血痕で何処の部屋に運ばれたのかが分かるようなところまではいかない。


 そこは彼を殺した相手も承知しているはず。


 それに死体をカイト達に見せる必要はない。人数が多い方が相手の緊張、不安を増す事が出来るからだ。

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