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「私が先に行くから、アンタは私の背後を守り、警戒しながら進みなさい」


「分かりました」


 カイトを先に行かせず、キスを前にして死体が置かれている場所に向う。


 彼女が警戒しているのはボウガン。死体に刺さった矢の向きからして、客室側から放たれた可能性がある。


 客室の何処かに隠れていて、隙を狙っていてもおかしくない。


 だからといって、正面側の警戒も緩めるわけにもいかない。彼女もそこは分かっているだろう。


「……マスクをしているという事は、零ではないわね」


 二人は何事もなく、死体前に到着した。何処の部屋の扉が僅かに開き、覗き込むような事もなかった。


 そんな事をすれば、カイトとキスに居場所を教えるようなもの。相手もそこまで馬鹿ではないだろう。


「そうですね。彼女が顔を隠す必要はないはずです。体格も違いますから。どちらかというと……」



「言われなくとも分かってるわ。今回、見るべき物がちゃんと付いてるんだから」


 キスは死体のマスクに手をかける。その前に魔力が残っているのかを確認する素振りを見せる。


 分身のマスクは内部が破裂した事もある。同じマスクであるからして、同様な爆発が起きるとも考えられる。


「……問題なさそうね。私達がすでに知っていて、隠す必要が無くなったからなのかしら?」


 キスは一気にマスクをむしりに取った。そこから出てきたのは凄い形相をした七の顔だった。顔色も変化し、口から大量の血を吐いた跡も残っている。


 痛みは勿論として、裏切られた事に衝撃を受けたのか。


「予想通りね。コイツが殺されたのは私を殺すのをミスしたのか、アンタを殺そうとしたせいか。それとも別の要因か。念入りにやられてるわね。確認のために矢を抜いてみなさい」


『矢先には気をつけろ。血の臭いの中に僅かな異臭がある。間違いなく毒だろう。それも即死、即効性のあるものだ』


 死神の嗅覚が七の体に毒が回っている事を見抜く。


 キスも七の顔色や吐血により、毒だと判断したのだろう。


『矢が体の何処に当たっても良いようにしたのか。胸に当てるだけでは、ここに君達が来るまで生き残る可能性を考慮したのか』


 カイトは矢を引き抜くと、大量の血が吹き出る。七が殺されてから、そこまで時間が経過してないのだろう。


 矢先も血によって赤黒くなるというより、緑色も混じっている。血に触れた事によって変色したのか、毒が塗られていたのは間違いなさそうだ。

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