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立場逆転の意味

「確かに……自身が死んだ後なら気にする必要はないわね。立場の逆転というのも、何となく予想がつくわ。この状況がそれを意味してるわ」


「今の状況が……ですか?」


「そうよ。従者達が主を殺してるのだったら、そういう事になるわよね。現に七が……灰色の従者が私を殺そうとしたわ」


 本来、従者が魔法使いを殺すのは不可能に近い。命約を結んだ事により、他の従者や自身にそれが返ってくる。


 従者には魔法を凌ぐ全てがない。魔導具を使うにしても、魔力が必要。おいそれと危険な魔導具を使わせないだろう。


 だが、様々な条件を生み出せば、従者でも魔法使いを殺せる事を証明してみせた事になる。


『命約を解除する方法もあり、魔法の回数制限もある。ディアナの場合、命約が切れていたとはいえ、十が生きていた事を知れば、安堵しただろうな。そして、再度命約を結ぶために中へ入れた。それが付け入る隙になったわけだ』


「……もしかして、三が主の事を聞いてきたり、零が立場逆転の話をしたのは」


 カイトは死神に話し掛けたつもりだったが、時間は止まってなく、キスにもそれが伝わった。


「館の主側につくのかを見極めるためかもしれないわね。そうなった時、アンタがメアリを殺す事になっていたかもしれないわ」


 カイトがメアリの二人の関係を見れば、裏切る事はないと分かったはず。


 それでも誘いにかけたのは同じ従者としてだろう。


「アイツが壱を先に行かせようとしたのも、もう一度問い掛けるためだった可能性は十分ありえた話よ」


 メアリが捕まった状態で、自分とメアリの命のどちらを優先するか。命約の解除する方法もあちら側は分かっている。


「そうだとしたら……メアリ様を捕らえたのは零……もしくは、三になるのかもしれません」


 カイトと主関連の話をしたのは零と三の二人。灰色の侵入者が言っていた人数に該当する。


 館の主相手ではメアリも警戒するが、零と三相手では隙が出来てもおかしくないからだ。


『率直に考えるとそうなるのだが……灰色の従者の言葉が少し引っ掛かるところはある』


 死神が独り言のように呟いた。灰色の侵入者は確かに二人と口にしていた。そして、それに反した行動を取った。それが分身だとはいえ、考えは同じであったはずだ。


 それは七が外にいるはずの赤と黒の侵入者を、メアリ達が焼却炉に行っている間に招き入れていた場合になるだろう。


「彼が独断でした行動ではなくてですか?」


『それもあるが……そこに関しては言い訳も可能なところだ。君はキスを守ろうとしたんのだから』


 あちら側からすれば、カイトがキスを置いて、メアリを助けに行くと考えてもおかしくはない。


 それがキスを守る選択をしたのだ。灰色の侵入者としては、彼を攻撃するのは当然だろう。

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