表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
385/426

見方

『彼女が指差していた物があっただろ? それは様々な記号が描かれていた。そして、指先の角度が何を意味していたのか』


「覚えてます。ディアナ様が残したダイイングメッセージという物ですよね。それが何を示していたのか分からなかったはずです」


 ディアナが死亡時、様々な記号が描かれた表を指差していた。それは彼女が残したダイイングメッセージと死神は受け取ったわけだ。


 だが、それの意味は不明のまま。どの記号を指していたのかも分かっていなかった。


 ヒントとなるのはディアナの指。真っ直ぐではなく、曲げられていた。角度の変化とも取れたが、それに何の意味があったのか。


『犯人が絞れてから分かったのは癪だが……顔を傾けて表を見た時、文字になる記号があった』


「……✕だ!! 傾けて見ると、✕は十に見えます。ディアナ様は自身の従者だと教えてくれてたんですね」


 あの時は十が死んだと思っていた事で、その答えは無かった。


 だが、七や三が生きており、命約解除の方法があるのだとすれば、話は変わってくる。


「あの部屋で……ディアナ様が指差していたのは記号の✕。視点を変えると十に。ディアナ様はそれを僕達に教えようとしていたのではないでしょうか?」


 カイトは死神の考察をキスに伝える。


「……なるほどね。メアリ達が見た十殺害は分身で、本人は死んでなかった。部屋に血はあったけど、死体は消えてわけだし、そこから血が出たところまでは見てないと」


 十が転移したタイミングと、カイト達が見た映像に誤差があれば、そこを分身と入れ替わる事が可能ではあるのだろう。


「ディアナが気を許すとしたら、十以外はないかもしれないわね」


 カイトを先頭に館の入口へとキスは足を進めていく。


 勿論、入口に向かったのは館の外に出るためではない。


 結界の状況を確認すると共に、二階へ行くためには入口前を通らなければならない。


 カイトが花瓶の魔導具内で見つけた鍵を使用する部屋を見つけるためでもあるが、第一書斎を再度調べる事も視野に入れる。


 メアリが鏡の魔導具で転移出来たかどうか。その前に捕縛された可能性もあるからだ。


「結界はそのままの形を保っているようね。攻撃されてたら、その跡が少しは残るのだけど」


 入口の二重結界はそのままで、破壊されている事はなかった。


 館の主が怪しいともなれば、外側からではなく、内側から魔法で破壊する事も考えられる。


 だが、そうすると敵対する魔法使いが内側におり、外側にいない事を教えているような事になる。そのため、下手に攻撃する事が出来なかったのか。


 従者全員を合流されられると、今の状態ではキス達側が不利。


 館の主の魔法回数を全て使ったとしても、十分なメリットがあるのだが。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ