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無意識の行動

『キスの言う通りだな。確実さが足りない。灰色の侵入者の分身が倒された時と違った部分がある。あの死体が分身だと判断したのは何だった?』


「血……ですよね。あの死体からは血が出てなかったから……あっ!?」


 灰色の侵入者は血を出していなかったが、十と三がいた場所には血が残っていた。


「気付いたようね。他の死体には血があった。私も十の死体が消えた場所を見たわ。勿論、血だけを用意したとも考えられるけど」


 死体があった場所に血だけを用意する。事前に準備は出来ただろう。


 三の死体も別の場所から移動した形跡はあった。あの血溜まりも後から流し込んだのか。


『分身の事は相手も分かっているだろう。死体として見せるのなら、血を準備しているはずだ』


 分身を死体として見せるのなら、出血しないのは当然知っているはずだ。


 カイト達が鏡越しで見た十が分身であるなら、その背後にいたのは本人。映像が切れた後、血を流したのかもしれない。


『だが、それでも問題は残っている。十に関しては命約だ。鏡が見えなくなった後、何かした可能性はある』


 分身が倒された後、ディアナと十の命約は途切れている。それによって、十が死んだと判断したわけだが。


 灰色の侵入者が七であった場合、死ぬ以外に命約の解除方法があった事になる。


 それを十がしている可能性は十分ある。


 あの部屋は鍵もされてなく、ディアナ達よりも先に部屋を出る事も出来るはず。


 三が廊下にいたとしても、同じ共犯者であれば、黙っていれば問題ない。


 あの時、従者同士が共犯であるとは露とも思ってなかったのだから。


『問題なのは三の方だ。アレは別の場所から運んで来たと考えていた』


 首を斬られてから流れる血の跡がおかしく、別の場所から運ばれたと考えられていた。


勿論、それは三であったのか。別の死体だったのかは分かっていない。


 アレが分身であった場合、三は生きている可能性が高くなるのだが。


『そう考えたのは血の流れもあるが……あの死体からも血が出ていたのを確認したからだ』


 あの死体から血はちゃんと流れていた。その時点で分身ではない証拠になる。


「三の場合は無理ね。アンタ達が外で確認出来てる時点で、分身じゃないのよ」


 キスは三の死体を側で見ていない。死体から血が流れているのを見ていないのにも関わらず、分身ではないと断言している。


「壱が無意識でやった行動が、それを証明したのよ」


 カイトが無意識でした行動とは何か。三の死体を側で確認したのはカイト、七、零の三人。


 その前には館内から遠目で全員がその死体を見ている。


 カイトがおかしな行動を取った事はないはず。

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