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否定

「アイツが生きている以上、警戒はするべき。館に残ってるのは主と零だけと思わない方がいいわ」


 キスは零も警戒すべき相手に入れている。メアリを捕まえる事が出来るのは、館の主と零。第二書斎にいたのが分身であったと証明されたため、灰色の侵入者を含めた三人になる。


「ですね。それも僕達を狙ってくるとすれば、彼だけかと」


 分身は灰色の侵入者のコピーであり、その意識もあった。彼の行動は本人と共有されていたかどうか。


 魔法使いであれば可能だとして、従者の場合は別々であってもおかしくはない。


 共有してた場合、彼だけがキスとカイトを殺しに来るはず。


 分身が言っていた二人という言葉。外にいる侵入者。館の主、零の二人のどちらか。


 館の主と零だとすれば、主の言葉に逆らった事になるのだが。


 失敗は自身の手で取り返すつもりではいるだろう。


 キスを殺す事を目的としている様子でもあった。


「私を殺す事だけが目的であれば、その可能性が高いわね。けど、単独行動をしてなかった場合は分からないわ」


 カイトを殺す事は侵入者達の目的に入っていない。灰色の侵入者はそれを破るかもしれない。


 灰色の侵入者本人ではなく、分身でキスを殺そうとしたのは、単独行動ではない可能性は確かにあるが。


「あの……他の従者、僕達が見た十や三の死体も分身だったという事はないでしょうか?」


 カイトは第二書斎にある三つの鏡を見る。カイト達が出てきた鏡以外の一つが分身を生み出す魔導具なのだろう。


 カイトが鏡の前に立つが無反応。魔導具の魔力が切れているのもあるが、彼自身も映さない。


 これと似た鏡は十が殺された部屋にもあった。であれば、十が分身を生み出していてもおかしくはないのではないか。勿論、分身が保つ時間次第ではあるかもしれないが。


 三に関しては、外にその鏡があれば問題ないだろう。


 館周辺には鏡はなかったものの、森の中までは見ていない。侵入者が逃げ込む場所を用意していたのであれば、そこにあってもおかしくはない。


 時間の指定もあり、分身を生み出す事も楽ではある。


 カイトはどちらの死体を見るだけで、触れてはいない。


 触れた時点で分かる場合、零も気付いたはず。


 二人の死体が消えた事も説明がつく。一度視認して、そこから離れた。それによって分身は消えるのだから。


「私はディアナの従者の死体を直接見たわけじゃないわ。それにアルカイズの従者の死体も遠目で見ただけよ。けど、そこは否定しておくわ」

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