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「……消えたというのは、七……灰色の侵入者が倒された事を、館の主が知ったわけですか?」


 灰色の侵入者が死んだ事に気付いたというのであれば、彼が新たに命約を結んだ。勿論、キスではなく、館の主である可能性が高いのではないだろうか。


「少し違うわね。アイツが新たに命約を結んだ可能性はあるんだけど……先に私の質問に答えなさいよ。話が途中だったはずでしょ」


 キスは言うのに躊躇いがあるのか、カイトの答えを先に言わせようとしている。


『彼女が七の死体を調べるのを止めたのも気になっていた。途中で部屋も見回していたが』


 灰色の侵入者が七であるとして、キスは自身の従者であった事から、死体を調べた。


 死体も首なしになった事から、彼だという証拠や他の部屋の鍵等を見つけるためでもあったはず。


 カイトとの会話によって一時中断としても、後から続けるのかと思いきや、再開せずに部屋を出る事に。


 メアリの心配もあるが、それ以外に理由があってもおかしくはない。


『鈴の音の事は先に気付くべきだった。全員がそそこを見落としていたからな。ピアノ室や調合室が良い例だ』


「そうでしたね。僕が危惧している事は、メアリ様の持つ鈴の音が外に漏れるのかです。薬室にいた時、廊下にいたメアリ様とキス様の会話は聴こえませんでした。もう一つ。多分なのですが、キス様達がピアノ室を調べる際、楽器を鳴らしたと思うのですが……」


「勿論。一番に目が行くのはピアノ。謎解きに関係があると思ったわ。それを七に弾かせてみたけど……それも聴こえなかったわけね」


 キスと七がピアノ室を調べている時、ピアノや楽器の音が廊下にも聴こえていれば、メアリ達も何の部屋なのか想像出来たはず。


 部屋にいたキス自身、そこまでは頭に回らなかったのだろう。確認出来るわけでもない。


「はい。メアリ様が何処かの部屋に監禁されているのなら、僕側の鈴の音しか聴こえないと思います」


 メアリが別の部屋に移送されている場合、鈴の音が聴こえてもおかしくはないが、時間を考えると、悪魔学の鏡の転移先で捕まった可能性が高く、その場にいるのではないだろうか。


「そういう事……メアリを捜すなら、私達が入った事がない部屋……花瓶の魔導具にあった鍵を使う場所なら良いのだけど」


 花瓶の魔導具の中にあった鍵を試してなく、二階には解錠されてない部屋が二つある。


 第二書斎があったのであれば、記憶の地図を確認して、隠し部屋がありそうな箇所を調べるのもありかもしれない。


 だが、キスは第二書斎からすぐに出たものの、そこから動く気配がない。


 カイトが先頭で進むのは当然なのだが、魔法使いと行動する以上、相手の指示がなければ動きにくい面がある。


 メアリを捕まえた相手を警戒しているのだろうか。彼女を監禁したのなら、次にキスを狙いに来る可能性は十分にある。


 灰色の侵入者の失敗があちらに筒抜けであれば尚更だ。

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