表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
371/491

ある部屋の考察

「アンタの正体は七。そうでしょ!!」


 キスは侵入者が被っているマスクに手を伸ばした。それを脱がせば、何者なのかが分かる。


 キスが言うように、侵入者が七の可能性はあるのか。彼が死んだ事を示すのは、キスの命約が切れた事のみ。


 主であれば、命約を切る自体は可能。従者から切るのは不可能。だが、命約を遮断する魔導具はあった。であれば、切断する魔導具が存在してもおかしくはない。


 七が誰かに殺されたと思われたが、それは自作自演。彼にはそれをする時間はあった。


 カイトを花瓶の中に閉じ込めたのも、偶然ではなく、彼が仕向けた可能性が高くなる。助けた事までは分からないが。


『キスの言う通りであれば、幾つかの疑問、謎は解消されるぞ』


 彼が侵入者の共犯者であれば、幾つかの謎は解ける。


 一つは館内にいた侵入者が外に出て、カイトと零を襲った事に関して。


 入口の鍵は壊されていたが、壊したのは侵入者ではなく、七。鍵をする前に、侵入者が通るのを許した。


『七が共犯者であるのなら、共にいた三や零も怪しい事になる』


 この三人は一緒にいる事が多々あった。七が共犯者であった場合、逐一報告していた可能性がある。


『そうなると、従者の部屋で全員が眠らされた事も謎が解けてくる。君以外、眠っていなかったのではないだろうか』


「僕以外眠ってなかった? だけど、貴女は匂いを感じ取ったんですよね。僕は七達よりも毒耐性があるんですよ」


 カイトは他の従者達よりも毒耐性が強い。それが睡眠薬だとしても同じ事だろう。


『それの解毒方法を用意していたのか。一度の匂いでは効かない物だったのか。三と零に関して、その姿を見ただけで、触れていない。七に関しても、念入りに調べる事は出来なかった』


 三が倒れるのを見て、それを調べたのは零。カイトは三の体に触れていない。その後に倒れた零の体もそうだ。それ自体が演技の可能性がある。


 

 七も二人と同じ。寝たフリをする事で、カイトを近寄らせて、睡眠薬の撒いた。


 零が側に寄って来た時と、七の側に向かった時で二回の睡眠薬を吸わされた事になる。


『そして、三人……侵入者もいれるのなら、四人か。その人数がいれば、メアリとキスを眠らせる仕掛けを準備可能だっただろう』


 ディアナ殺害時、メアリとキスを同時に眠らせるのは難しいと思われたが、七達が協力していたのであれば、難なくこなせただろう。


『とはいえ、それはメアリとキスを眠らせる方法だけであって、ディアナ殺害の謎は残ってるいるのだが』


 三、七、零が共犯者であったとしても、ディアナが部屋を開けるとは思えない。三人の誰かであった場合、警戒するはず。無防備に背中を向けないどころか、部屋に入れる事もない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ