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二人

『彼女を助ける方を選ぶのか。君なら、一番にメアリを優先すると思ったが』


 死神もメアリを優先して、キスを見殺しにする可能性もあると考えていたようだ。


「逃げれたとしても、キス様を殺した後、メアリ様を狙うはずです。だったら、この場で倒す方が、メアリ様にとっては安全なはずです」


 ここでカイトが逃げ果せたとしても、メアリが狙われる事は間違いない。だとすれば、メアリに会わせないようにするのが得策になる。


「それに……メアリ様を助けるためには、キス様の力が必要になるはずです」


 回数以上の鈴が鳴り、メアリに何かあった事は確か。それをカイト一人で助ける事が出来るのか。


 侵入者を相手にするのも、戦闘経験の低さで厳しい。メアリを捕まえたのが、魔法使いだった場合、一人ではどうしようもなくなってしまう。


「……二人には申し訳ないが、死んでもらうぞ。邪魔をするのは明白だ。最初からそうすれば良かったんだ」


 侵入者は剣を向ける先を、キスからカイトへ変更。キスが逃げようにも、カイトがその壁になっている。


『二人……侵入者の主の事ではないのか? 外にいる仲間だとしても』


 侵入者達はそれぞれ別の主がいるのか。そうでなければ、主の命令を背く事になる。もし、外にいる黒と赤の侵入者の事を示す言葉だとしても、二人は零とカイトを殺そうとしたはずであり、矛盾している。


「今はそれを考えている暇はないですよ。あの時みたいにお願いします」


『外で侵入者と戦闘した時の事か。あれは零がいたからであって、今回は君一人だぞ。回避だけに集中するわけにもいかないぞ。ましてや、ここは室内だ。回避にも限界がある』


 カイトは赤の侵入者との戦闘で、死神の目に頼り、回避に徹していた。その隙に零に攻撃させるためであったが、今回いるのはキス。それも魔法を封じられた状態であり、頼る事が出来ない。


 更に室内という事もあり、本棚や机等、物が置かれている。それが邪魔をして、身軽に動き回る事も出来ない。


 それだけでなく、唯一の武器である斧も手放してしまった。斧で剣を防ぐ事も不可能になっている。


『……だが、相手もそれは同じはず。剣を振るにしても、物が邪魔のはず。それを盾にする動きにするぞ』


 置物で回避を厳しくさせるが、それは攻撃も同じ。下手に振れば、剣が刺さったまま、抜けなくなる可能性もある。それを死神は狙うつもりなのだろう。


「分かりました」


『逃げ回るにしても、彼女の事も忘れるな』


 時間を掛ければ、侵入者もキスを標的に戻す可能性もある。カイトの沈黙が治ったように、時間経過でキスの沈黙も治れば、魔法を使用されるからだ。

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