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意味深な言葉

『とはいえ、誰が置いたにしても、人形に意識を向けすぎるのは駄目だ。それ自体が目的の可能性もある。人形自体に意味はないのかもしれない』


 怪しい人形があれば、誰もが気にするだろう。それも謎解きの話を聞いた直後でもあり、一つ増えたのなら、何かしら疑ってしまう。


 それ自体が罠。人形には何の意味もないとも考える事も出来る。


「クローゼットの中の人形……これですね」


 カイトと死神の会話は途切れ、メアリが動き始めた。死神が時間を止めるのも制限があるのだろう。


 メアリは黒のベッド、カイトが休んでいた場所のクローゼットを開け、人形を確認した。


「食事前まではクローゼットの中に人形が入っていませんでした。誰かが人形を増やしたのか、もしくは移動させたのか。増やしたのなら、人形は八体になっています」


 カイトは従者の部屋の出来事をメアリに報告しており、更に追加情報を加えた。


「八体ですか。私達と同じ数になるのだから、増やしたのが正解でしょうね。本当はか……壱は来る予定ではなかったのですから」


 人形が八体になるという事は、来訪した人間の数と同じになる。それに意味があるとメアリでなくとも、謎解きがあるのが分かっていれば、頭に浮かべるのではないだろうか。


『メアリが調べる事で、魔導具なのかを確認出来るだろうな』


 少しの間を置いて、死神がカイトに話し掛ける。その会話は続く物ではなく、すぐに時間は動き始めている。


「……その人形は魔導具だったりするんですか?」


 カイトは死神ではなく、メアリに質問した。カイトだけでなく、十も人形に触れている。三もこの部屋を調べたのなら、触れていてもおかしくない。


 それによって何も起きていないのだから、魔導具であるわけがない……というわけにもいかない。


 魔導具を使うためには魔力が貯まっている必要がある。それ以外にも起動方法、スイッチがあったりもするからだ。


 それを従者達が知らないだけという可能性もある。いつの間にか呪いの人形に変化してもおかしくない。


 魔導具であり、カイトのクローゼットにある人形に魔力が込められていたのなら、用意したのはゴールド=ゴールの可能性が高くなる。


 零に魔力はなく、途中で用意にするのも、人形に込める魔力が必要になる。その魔力もゴールド=ゴールに残されているのかは不明なのだが。


 メアリは別の人形も確認するため、従者達が使用してないクローゼットを次々と開け、人形を確認して回る。触れるところまで、丁寧に見れないのは、集合時間の事もあるのだろう。


 カイトもメアリの行動に目を向けてしまったのだが、従者が使用していないクローゼットの中に人形は置かれたままになっている。移動した形跡はない。


「……大丈夫です。魔導具ではありませんよ。呪いもなければ、何の仕掛けもないのですが」


 人形は魔導具ではなかった。それなのに、メアリは再度人形を確認していく。


「……出来るのであれば、他の従者達が人形を外に出した時、姿を確認して欲しいのだけど」


 魔導具ではないはずなのに、彼女は意味深な言葉を吐いた。

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