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地下

「しかもよ。魔導具が起動しているから、徐々に魔力が減ってるわ。行くかどうかを決めないと駄目だわ」


 悩む時間は多少残っていても、早く決めなければ、どの転移も出来なくなる。


 同じ鏡に全員が転移出来たら良いのだが、それも出来ない。


 キス、メアリ、カイトが其々別の鏡に挑戦するか。


「行き先は館内だと思うのですが……私達が見て回った場所に、魔力が残っている鏡はなかったはずです」


「……そうね。客室ではない事は確かよ。私達が行ってない場所でしょうね。けど」


「方法が転移だけとも限らない……ですよね」


 十が転移した先は客室だった。館内であり、普通に移動出来る場所だった。


 館内であれば、転移に頼らなくても行ける場所ではあるのだろう。


『だが……この転移で地下に行ける可能性がある。そこから一階に戻る道を見つける事が出来るかもしれない』


 一階から見つけられないのであれば、転移するが移動方法なのかもしれない。


 逆に地下から一階への道の方が分かりやすくなっていてもおかしくはない。


「……焼却炉が地下にあったのなら、この館には地下があるかもしれません。そこに転移する可能性も」


 カイトは思い切って、この館に地下がある可能性を訴えた。


 館内で調べられていない場所はあるものの、館の主が隠れながら行動するのも限界がある。


 加えて、侵入者の侵入経路。最初にどうやって館の中に入ったのか。


 地下にある焼却炉。小屋が建てられているのにも関わらず、下に設置されている。


 今の状況であれば、メアリやキスも館に地下があるのを疑ってくれるのではないだろうか。


「地下ですか。確かに……焼却炉のためだけに地下があるとも思えませんね」


「……私の館にも地下があるわね。隠し部屋みたいなのも存在するから。ここの主も同じ考えをしている可能性は確かにあるわ」


「私の家にも地下はあります」


 キスとメアリもカイトの意見に同意した。


 メアリの館に地下があるのは、カイトも知っている。実質の物置部屋になっているのだが、キスも館にも地下があるとすれば、魔法使いの館に地下室がある可能性は高まる。


「……アンタはこの館に地下室がある事を知ってるわけ?」


 キスは零に地下があるかを尋ねる。これはカイトも零に聞いた事だ。


「……答えられません」


 零はそう答えた。カイトが聞いたのは、館の主からは聞かされてないという話だったが、彼女自身はあってもおかしくはないと思っていたはず。


 安易に自分の意見を言わなかったのだろう。理由はそれだけではなく。


「謎解きに関連するから……ですか」


 メアリがそれを答える。零は謎解き関連の協力は出来ない。これに答えるのは報酬の答えになる可能性もあるという事だ。

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