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『次にイメージの問題になるのだが、ピアノ室の謎解きの報酬が絵である事に違和感がある。絵画室もあるのだから、そこで変化するべきではないか? わざわざ、この部屋に用意した意味が分からない』


 ピアノ室にも絵は飾ってあるが、謎解きをするにあたり、絵の変化は絵画室で起きる方が自然ではないだろうか。


「言われてみたら確かに……だとしても、いつかはメアリ様もその絵を見るはずですし、この場でなくても」


『ゴールド=ゴールが老人である事を印象づけるため。館の主が混血だとメアリ達が知った事で、若いイメージが植え付けられたはず。それを消すために必要だった』


 魔法使いと従者の混血である魔法使いは短命。


 キス達が老人の絵を見た時、違和感を感じていたのは確か。混血の話を聞いていなければ、気にはしなかっただろう。


 それを花瓶の魔導具の説明書きと、サインの筆跡が同じだった事で、老人=館の主だと納得はした様子だ。


「待ってください。それって……ゴールド=ゴールはあの絵の人物じゃないと? 別人という事ですか?」


『……いや、ゴールド=ゴールで間違いはないと思うぞ。サインがそれを物語っている。零も安易に簡単な嘘をつけないだろう』


「……訳が分からなくてなってきました。あの絵がゴールド=ゴールだと、メアリ様達に思わせたいんですよね? なのに、館の主で間違いないって」


『ゴールド=ゴールは一人ではないだろ? 金を生み出した魔法使いの名前がそれであり、引き継く形になっているのではないか?』


「……あっ!! そういう事ですか!? 零を従者にしているのは今のゴールド=ゴール、館の主であって、あの絵の老人は一つ前の館の主。ゴールド=ゴールの名前でも間違ってないです」


 メアリが師匠からアルザスの名を継承したように、混血である館の主も同様の事があったはず。


 つまり、あの絵は館の主の師匠にあたる人物であり、元ゴールド=ゴール。


 零が言っている事は間違いではない。だが、事実でもない。


『私はそう思っている。だが、彼女がそんな嘘をつく必要があるのかだ。それともう一つ。館の主と零はまだ繋がっている事になる』


 死神の考えが正しければ、零は館の主の命令で動いてる事になる。館の主も零の動きを把握している。


 零自身、侵入者に襲われる事も承知済みだったのか。キス達の自身の疑いを消すために、わざと攻撃をさせた可能性も出てくるのではないだろうか。


「……零の動きには注意するべきという事ですね」


『そうだ。勿論、別経路から侵入者が入ってきた可能性もある。そこも気をつけるべきだ』


 未だに地下へ行く道は見つかっていない。外にいる侵入者が地下から侵入した可能性もゼロではないからだ。

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