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「七でなかった場合、残るのは館の主になるわね。それもありえないでしょ。アンタはどう考えるわけ?」


 キスは零に追求する。継承権獲得にあたり、謎解きをして、館の主がいる場所まで辿り着がなければならない。


 館の主が出した課題。零も謎解きに関しての協力は禁止されている。


 ある意味、これは契約でもある。魔法使いの中で契約、約束を破るのはありえない事だったはず。それを本人がするのであれば、無条件で二人に魔法を継承させないと駄目になる。


「それはないと思います。謎解きはキス様達に与えた課題ですから。七の部屋に鍵を置いたのが、主であった場合、尚更です」


 七の自室に置かれた鍵。それはピアノ室の鍵であり、謎解きの継続を促すために置かれたと判断。


 館の主がそれをした意味が無くなってしまう。


 彼が七を殺した理由も分かっていないのだから。


「そうですよね。ですが、謎は解かれている。侵入者が別経路から入ってきたのでしょうか? 侵入者がもう一人いて、隠れていた」


 七ではなく、館の主でもなければ、侵入者しかいない。


「七もその姿を見てしまったから、殺されてしまった……というのは?」


 メアリは彼が別の侵入者を見たせいで、殺されてしまった可能性を指摘する。


「……あったとしても、それは限りなく低いわね。いたとするなら、その侵入者は魔法使いでなくては無理よ。なんせ、七の死体を消してるのだから」


 侵入者がもう一人いた場合、それは従者であるはず。


 館の主が侵入者の魔法使いに依頼したとするなら、複数人いるのはおかしい。


 魔法使い同士で協力する事は滅多にない。いつ裏切るかも分からないから。


 利益があるとしても、互いに邪魔する可能性がある。


「侵入者が謎解きをする必要はないわ。ゴールド=ゴールが共犯であるなら、余計にね」


 館の主と侵入者が手を結んでいた場合、謎解き自体の邪魔はさせないだろう。最初にその指示ぐらいは出しているはず。


「七も従者相手で、簡単に殺られる奴ではないわ。怪我の一つぐらいは負わしてるはずよ。けど、血の痕跡はないわ」


 キスは七の戦闘の力を買っているようで、殺されたとしても、傷の一つぐらいは付ける。


 それがなくとも、従者同士の戦闘で、血を出さずに殺すのは難しいはず。出来るのは、絞殺ぐらいしかない。


「そうですね。彼が襲われた場所も分かってません。謎解きの失敗……にしても、七は成功しているわけですから」


 零もキスの意見に賛成のようだ。七が消えたのが謎解きの失敗によるものであれば、納得する事も出来るが、それは成功している。


 だとすると、彼は何処で襲われたのか。何処であっても戦闘した痕跡は残るのではないか。


 痕跡を最小限に出来るとすれば、魔法使い。七にも気付かれずに攻撃したとしか思えないだろう。

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