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誰が解いたのか

「……じゃなくて!! ゴールド=ゴールの姿に関して、今はどうでもいいのよ」


 ゴールド=ゴールの姿が知れたのは朗報だが、無かった物が出てきた物には意味がある。何もしなければ、絵が変化する事もなければ、凹みが出てくる事もなかった。


「これが出てるという事は、誰かが謎解きをした後って事でしょ!! 凹みに何かあった物を奪われた可能性もあるわ」


 キスはゴールド=ゴールの肖像画から離れて、ピアノの方へ。


「……やっぱり。ここにあった楽譜に音符が書き込まれてるわ。それを演奏したって事よ」


 ピアノ室の謎解きをキスよりも先に、誰かが解いてしまった。


 従者がいないキスにとって、謎解きの失敗を回避出来た事は良しとするが、その代わりに凹みにあった物を奪われてしまった事になる。


 ゴールド=ゴールドを捜すのに必要な物であれば、この時点で詰みとなってしまうのだ。


「けど、誰がそんな事を……おかしくはありませんか? それが出来たのは二人のはずですが、するとは思えません」


 メアリが言う二人というのは七、彼から鍵を奪った相手の事だろう。それも館の主と仮定している。でなければ、否定の言葉は出てくるはずがない。


「……そうね。怒りで我を失って、冷静さを欠いたら駄目だわ。メアリの言う通りね。それをする理由が見当たらない。まずは七。アイツが一番可能性が高いわけなんだけど」


 キスが一番に疑ったのは館の主ではなく、自身の従者であった七。彼女が彼を疑う理由は一つ。


「疑う理由は鍵……ですよね」


 カイトが言う鍵というのは一度奪われた鍵ではなく、花瓶の中に隠されていた鍵だ。


 その鍵は七の人形と一緒にあった。最初から花瓶に隠されていた可能性もあるが、七が置いたとも考える事も出来る。


 その場合、何処でその鍵を手にしたのか。その答えがピアノ室の謎解きの報酬であるなら、納得は出来るのだが。


「そうよ。けど、私は謎解きをするのを禁止していた。それをするのは裏切り行為に等しい。それが分からない奴じゃないわ」


 七がしたのはキスに対する裏切り行為だ。侵入者、館の主の共犯者だとしても、彼は何者かに殺されている。今の段階で殺す理由はないはず。


「七は僕と行動を共にする時、汚名返上をすると、魔導具を調べる事を選びました。それはキス様に対する行動だと思うので」


 七がカイトを罠に嵌めたとすれば、キスのため。ちゃんとそれを言葉にしていた。


「時間を考えると、彼がそれをするのも無理だと思います。私達が外に出た時に猶予があったとしても、いつかはバレてしまうのですから」


 カイトを罠に嵌めた後では、鍵を花瓶の中に入れる事は不可能。


 キス達が館の外に出ている間は時間の猶予はあるが、これも難しいだろう。


 零が焼却炉に行くにしても、キス達が確実について来たのかも分からない。


 休憩が無かった場合、次に向かうのはピアノ室だったはず。そんな事をすれば、すぐにバレてしまう。

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