表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
332/491

「後……僕の勘がそう言ってます。自分達と同じだと……三や七の二人も、零が従者である事に違和感がなかったと思います」


 死神からの返事はない。会話の出来る時間が過ぎたのだろう。


 時間を回復するのに、メアリ達を待たせるわけにもいかない。


 死神の零=館の主説は保留する事にしても、零に対する信用を一度無くし、猜疑心を持つべきだろう。


 カイトにとって顔を洗うのは、気持ちを切り替えるのに丁度良かったのかもしれない。


「お待たせしました」


「構わないわよ。零を先頭にして、言ってた通り、先に自室に戻るわ」


「壱も自室を確認してください」


「分かりました」


 メアリとキス、零は会話を終えていたのか、静かに待っていた。


 館外の出来事により、二人の零に対する疑いは低くなっているはず。館の主に対して、零の態度がそう思わせる面もある。


「アンタも分かってるわね。自身で言った事よ」


 カイトが浴室に入っている間に、零はキスに何かを提案したようだ。彼女の言い方からして、危険な行為なのかもしれない。


「勿論です」


「……零は何をするつもりなのですか?」


 カイトは零の行動について、零自身に尋ねた。


「キス様達が部屋を確認している間、廊下で待機するのは勿論だけど、七の部屋に鍵が掛かっているかの確認を、私がする事にしたの」


 零は七が休むはずだった客室の鍵を確認するようだ。しかも、それを彼女自身が名乗り出たらしい。


「キス様にも許可を得ました。彼の代わりに出来るのはこれぐらいです。謎解きに手を出す事は禁止されているので」


 七の部屋を調べるのは、謎解きとは無関係。零がキス達と行動するにあたり、手を貸すところでは妥当だろう。


「勿論、私達も廊下から見させてもらうわ。零だけではなく、私やメアリも同じ。ドアを開けた状態にするから」


 全員が一斉に自室を調べるわけではなく、一人一人順番に見ていくようだ。その中で、部屋に入るのは当人のみ。


 最初に零が七の部屋を確認。七は鍵を所持したままで消えてしまった。


 彼の自室になるはずだった客室は鍵が掛かったままのはず。


 だが、七を消した相手が鍵を使用した可能性もゼロではない。


 それともう一つ。カイトが花瓶の魔導具に吸い込まれた後、七の行動も分かっていないのだ。


 彼が一度客室に戻っていてもおかしくはない。


 キスと七の命約が切れたのが深夜であるのなら、時間的にもありえるのだが……


『君が花瓶に閉じ込められていた時間に、七が戻った可能性はあるが、鍵をしているはずだ。キスが一番最初に調べるのは、彼の客室のはずだ』


 命約が切れた時、キスは七の客室を覗くはずであり、その時点で鍵が掛けられていたのだろう。


 ピアノ室と七の自室が閉じられている事は、キス自身が言っていた。魔法を使用するかも悩んでいたぐらいだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ