表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
33/407

幕間 ー1ー


「一日目が終了したか。彼の参戦で、本来の出来事とは少し違っているようだな。だが、結末が変わるまでには至ってない。二日目から本格的な動きを見せる。それがどう変化するか。犯人は変わる事はないが、この場から退場する人物はどうなるか」


 カイトのいる世界、彼等の記憶から造られた擬似的世界の一日目が終了した。これに関してはカイトが就寝時にカウントされる。


 その際、死神は擬似的世界の本を一度閉じた。閉じた事で死神とカイトの繋がりも中断となる。


 再度、死神が本を開く時にカイトが目を覚まし、二日目に進む事になるわけだ。


「彼の視点だけで進むのも楽しいが、少しは復習していても問題ないだろう。前回とどう変化するのかも知っておきたい」


 死神は擬似的世界作成に使用したメアリ、キス、ディアナ、アルカイズの記憶を取り出す。


 魔法使い達はすでに亡くなっている。そして、誰が犯人なのかも分かっていない。


 一日目の零の説明から、謎解きの失敗による事故の可能性が高い。


 全員ではないが、失敗による死亡者は存在するだろう。それは魔法使いではなく、従者が死を被る事になる。


 魔法使いの失敗による死は命約により、従者に襲い掛かるからだ。


 だからといって、従者が死ぬ事は明記されてない。メアリは別として、ディアナ達にとっては従者は物扱いなのだろう。


「本来ならば、最初に消えるのはディアナだ」


 ディアナだけの記憶だけでは分からないが、メアリ達の記憶に当て嵌めると、最初に死んだのはディアナとなっている。


 優秀な従者である十がいたにも関わらず、誰よりも早くに退場しているのだ。


 ただ、魔法使いの中での最初なだけで、従者は数に入っていない。先に従者全員が亡くなっている可能性はあり、確実なのは十が先に死んでいる事。


「そして、アルカイズ、キスが消えていく。最後にいなくなったのがメアリ。その事を彼はまだ知らず、館の主であるゴールド=ゴールに会ったのか……そこまでは書かれていない」


 あの館で最後まで残ったのはメアリ。従者なしの状態のはずが、命約があったディアナ達の方が先に死んでいる。


 それは彼女の立ち回りが上手かったのか。もしくは、彼女を最後まで残した理由があったのか。


 カイトは想像したくないかもしれないが、他の魔法使いを殺したのは彼女だった可能性もある。


 ただ、魔法使い同士の争いは禁止されてはいるのだが。


 地下の問題もある。行き方が地図に記されてない以上、誰かに連れて行かれたと考えられる。


 連れて行かれたのはメアリであった場合、誰に拐われたのか? 館の魔法使いの事も分かっていない。


 カイトが参加した事によって、彼女の行動は大幅に変更になるのは予想出来る。


「私も推理を楽しみたいからな。予想外の出来事が起こる方が面白い。とはいえ、下手に亡くなってくれるなよ」


 死神は血の色のように濃い紅茶を用意して、一口啜る。そして、擬似的世界に取り出したメアリ達の本を重ね合わせ、二日目となるページを開いた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ