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『……そういう反応になるだろうな。何故、キスの考えを推すのかも聞かせてもらおうか』


 死神は自身の考えと一致しているかの確認をするためなのか、キスの意見に賛同する理由を彼に尋ねた。


「まず、メアリ様とキス様は首謀者、犯人から除外します。これは間違いないと思います」


 メアリとキスは行方不明、殺害されている。死神が記憶の本を所持していたのが、確かな証拠だ。


 ディアナやアルカイズもそれは同じ。記憶の本にないのは、名前を持たない従者達。


 数字の名前では、カイトのいた世界だと数多くいすぎるのもある。


 そして、もう一人。館の主の生死も不明。ゴールド=ゴールが偽名であり、本当の名前を知る必要があるようだ。


 それが分かれば、記憶の本から殺されたのか、否かが読み取れるはず。でなれければ、疑うのは当然だろう。


 カイトが館の主が怪しいと思っていたのは、最初からではある。


「零もキス様の前では流石に言えない事です。魔法使いと従者の立場が逆転する。この出来事が分岐点だとすれば、何かを呼び出そうとするのはあるかもしれません」


 キスのような魔法使いであるなら、立場逆転等求めないだろうが、メアリや館の主であるなら望む可能性はある。


 従者の未来のために少しの犠牲は厭わないと。


「それが貴女に似た人物なら尚更です。貴女の存在を知る以上、別の神様や悪魔がいてもおかしくないのでは? 勿論、貴女が無関係なのは分かってます」


 死神が擬似的世界を作り出し、カイトが事件の真相を解明する協力をしている。


 その理由が謎解きを楽しむためであるのだから、死神は無関係である事はカイトも分かってはいるようだ。


 だが、他の神秘的な存在を否定出来ない。まして、死神の姿に似ているのであれば尚更だ。


『なるほど……館の主がメアリ達を殺害する理由は、その人物を呼び出すためか。動機は本人しか知らぬところではあるが、ありえそうな話だ』


 侵入者は実行犯にでしかなく、殺害の動機は首謀者や黒幕しか分からないだろう。奴等も利用されている可能性もある。


『詳しい事は館の主の手記に書かれている可能性もある。それを見つける事が重要になるかもしれない』


 零が立場逆転を知ったのは、主に聞いたのではなく、それらしい事が書かれた物を見たから。


 それは書斎にあったという事。各分野に分かれた本棚に、白黒の本。それ以外にそのような物はなかった。


 別の部屋にあるのか。書斎の謎解きの報酬の一つとなっているのか。


 その話を聞いた上で、調べる必要性が更に高まった。


『とはいえ……館の主はアレを呼び出すのは失敗している。それは断言しておこう。この事件に別の世界の異物が入れば、私も分かるからな』


 失敗。カイトが生きている時には変化は起きなかった。死神はその記憶から時代の流れを読んだのかもしれない。


 館の主の目的がそれであれば、無意味な結果に終わってしまった事になる。

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