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生贄

「ですが……最後に彼女ともう一度会うような事も言ってました。とはいえ、侵入者の魔法使いがその人物だとは思えません」


「私も大事な人にそんな事はさせないと思います。会うというよりも、会いたいという気持ちなのではないでしょうか?」


 死ぬ間際、大事な人に会いたい気持ちは誰でもある。館の主にとっては、その人物なのだろう。


「もしくは、その約束をしたかもしれませんね。そうであれば、再会させたいと思います」


 二回目はどういう状況で会ったのかは分からない。だが、その時に死を看取る事を約束した可能性はある。


 メアリは館の主とその人物が最後に再会出来るようにと願っているようだが。


「……それを聞くと館の主の怪しい面が出てくるわね」


『……だろうな。それが目的であれば、話は変わってくるぞ。……ないだろうが。最後まで聞いてみよあ』


 死神もキスに賛同するのだが、カイトは聞き逃した言葉があったが、流石にそこを追及する事は出来ずにいた。


 キス達の会話の続きがあり、死神が最後まで話を聞く事を選んだからだ。


「どういう事ですか? 悪い事は何も……」


「ゴールド=ゴールの目的が魔法を継承させるためではなく、その人物に会う事が目的だとすれば?」


「その人物に会うのが目的……ですか?」


 メアリはキスの言葉にピンと来てないようだ。


「館の主はその人物を神や悪魔とも感じたと、零はそう聞いたのよね?」


「……そうですね。年が経っても変わらない姿だと」


 キスの質問に零が少し間があったが、肯定する。


「館の主がその人物をそんな風に思ってるのなら、呼び出すために私達を生贄にするつもりで呼んだとも取れるでしょ」


 キスはその人物を人間ではなく、神や悪魔等の神秘な存在だと予想した。だからこそ、弟子になる事も無理だったと。


「最初に会ったとされる時も、何人かは犠牲になったのよね。次はどうなのかは分からないけど……神学、悪魔学から、そんな知識を得たかもしれないわ」


 それを呼び出すためには生贄が必要であり、魔力の高いディアナやアルカイズ、同じ境遇のメアリが呼ばれたのだとしたら?


「それは本の中……御伽話のような物では……」


 メアリは何かに気付き、最後まで言う事を止めた。現実には存在しない話であると言うつもりだったのだろうが、ある出来事がそれを否定出来なくさせた。


「……魔物ですか? 魔物のその類と私達は思ってましたから」


 メアリ達は魔物の死体を見た事で、神や悪魔の存在を否定出来ない。


「そういう事よ。そのせいで可能性はゼロでは無くなったわけ。下手したら、七達の死体もそれに使うかもしれないわ」


 従者達の死体が消えたのも、儀式に使うため。三の首だけが無くなっていたのも関係しているのか。

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