表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
319/429

生い立ち

「アンタ達はどうなの? 壱……アンタに関しては、それでもおかしくはないと思ってるんだけど。メアリから奪うつもりもないし、何もするつもりはないわ。それ次第では、新しく従者を取る際、優先するべき事項にするだけ」


 キスの目からして、カイトは優秀な従者に見えたのだろう。それが魔法使いと従者の間の子供であれば、納得するというところだ。


 実際は、死神が手助けをしているに過ぎないのだが。


 零に関しては、ゴールド=ゴールが最後に選んだ従者であるからだろう。彼女を選んだのは予知とされているが、同じ境遇の者を選んだのかもしれない。


 従者としての能力はカイトよりも、零の方が上な面もある。従者歴はカイトの方が上にも関わらずだ。


 だからといって、キスが零を引き取ると、言葉を出さない。零からしても、疑われた相手に仕えるのは嫌だろう。


 従者の立場を継続したいのであれば、三同様にそうも言ってられないのだろうが。


「僕は……知りません。捨てられてたらしく、親の顔も知りません」


「私はそうらしいですけど、そんな特別な事は出来ませんよ」


 カイトは自身の事をよく知らず、メアリに引き取られた。彼がメアリを大事にするのも、当然だろう。


 話を聞く限り、その可能性は高い。短命なのは呪いのせいだが、親を知らずに捨てられるあたりがそうだ。従者同士の子供だとすれば、ある程度はその親が育てるのかもしれない。


 零はそうらしい。『らしい』というのは、ゴールド=ゴールに言われたのか。


 何処かに特化した力はなく、魔法も使えない。彼女がそれを隠す理由もないだろう。


 魔法が使えるのであれば、従者をする必要はない。侵入者に襲われた際も、魔法で対抗すれば良かったはず。


「私も壱がそれだからと、選んだわけじゃありません。私に似た感じがしたからです」


 メアリもカイトを引き取るまでの生い立ちを知らないようだ。


 ゴールド=ゴールは零がそれと知って雇ったのであれば、メアリが呼ばれたのも、そういう理由があるのか。


「そうなの? 少し話が脱線したわね。続きを聞くわ。ゴールド=ゴールについての話を。同じ境遇なのは分かったわ。他にも話したんでしょ」


 キスは自分が話し過ぎた事に気付き、メアリと零に会話を渡し、お茶に口をつける。


 寝起きという事もあり、体のダルさがまだ抜けてないのだろう。背中を椅子に傾けた。


「分かりました。私の素性に関しては話しましたし、この先は零が話してください。主や先輩従者からの話を直接聞いたのは彼女なんですから」


 この先を話すのは零だと、メアリは彼女に話の主導権を与えた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ