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混血

「それは……少し気になるわね。メアリに余計な事を言ったのなら、私もそれを知る権利はあるはずよ。お茶を飲む間に聴かせなさい」


 キスもメアリと零の会話が気になるようだ。ゴールド=ゴールの情報も含まれているのなら、耳に入れておく必要があるのは当然だろう。


「……メアリ様も少し関係するのですが」


「大丈夫です。私からキス様に話します。私と館の主には共通点がありまして……零こそ、良いのですか?」


「構いません。キス様がそれをどう判断するかだと思いますから」


 零はメアリの方を見て、話すのを躊躇った様子だった。共感したとすれば、二人の共通点があったという事。それがメアリの秘密にも繋がっているようだ。当然、それは館の主も同様だろう。


 その秘密をキスが知った時、変化が起きるのか。


「何よ。従者に優しいところなんて言わないでしょうね」


 メアリが従者に優しいのは、キスも分かっているはず。カイトだけでなく、三や七の事も心配していた。


 だからといって、館の主がそれに当て嵌まるのか。


 零には命約が結ばれてなく、態度も七達のような感じではなく、厳しく躾けられた様子はない。


 彼女が継承権争いのためにだけ雇われた事もあるのかもしれないが。


「それも少しは関係しているかもしれません。私と館の主の共通点は生粋の魔法使いではない事。零はゴールド=ゴールド本人から聞かされたみたいです」


『生粋の魔法使いではない……どういう事だ? 彼女が魔法を使えるのだから、魔法使いで間違いないのではないか? 君はどういう意味なのか分かるのか?』


「……分かります。メアリ様が僕だけでなく、従者に優しい理由。メアリ様は魔法使いと従者の間に生まれた魔法使いだからです。それも生まれてすぐに開花したわけではなく、後天的らしくて……一度は捨てられ、従者と同じ境遇だった時期があったみたいです」


 カイトがメアリから魔法使いと従者の間に出来る子供の話を一度聞いたのも、メアリ本人の話だった。


 つまり、ゴールド=ゴールも同じ境遇。魔法使いと従者の間に生まれたという事になる。


「……そういう事。ディアナやアルカイズみたいな昔の魔法使いだったら、差別してたかもしれないわね。見下したりしそうだわ。言わなくて正解よ」


 純血の魔法使いは混血の魔法使いを下に見る傾向がある。メアリもそれを知っていて、滅多に告げる事はなかったのだろう。


 混血は魔力が少なく、継承するはずの魔法が覚えられない事もある。早死にしやすい等、様々な悪影響もある。


 その中には魔力も持たない者も当然出て、自分の子供でも従者以下の扱い、捨てられるよりかはマシな部類になるのだが。


 そんな事をキスはカイトに軽く説明した。

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